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【特集】
お得意さんをガッチリつかめ!! 直売米の品質管理
- 編集部
- 2005年06月01日
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米直売のメリット・デメリット
販売戦略ではなく工程や環境の管理を
昨年秋、米を生産する読者対象にFAXアンケートを実施した。返信のあった49件のうち、43名の農業経営者が主な売り先として「直売」を上げていた。事実、インターネットで「産直米」と打ち込んで検索すれば、数千にも及ぶ数のサイトがヒットする。
これだけ世間一般に「産直米」が出回ってしまった今日、もはや「農家直売」にめずらしさはなく、買う側にとっては選択肢の一つでしかなくなった。しかも年々米価は下がっており、そのため直売米とスーパーに並ぶ米との価格差は大きな広がりを見せている。「産直だから高くても売れる」などと高をくくっていては、顧客はどんどん逃げていってしまう。
そういった流れの先で語られるのは、いつも「マーケティング」であった。それは本誌でも然り。しかし今回はあえてその話題から離れてみる。確かに販売戦略を考えることは必要だ。それを離れる理由、それは「顧客開拓」ではなく「ロイヤルユーザーを満足しつづける」ためにすべきことを考えるためだ。
本来なら機械を買い揃えるより前にあるべき課題
先述のFAXアンケートで回答を得た他の質問に、どういった調整設備を導入しているかを問う項目がある。以下、それぞれの機器を所有していると回答した経営者の数だ。(回答者数は49名)
・乾燥機 44名
・業務用精米機 16名
・色彩選別機 12名
・低温貯蔵庫 29名
・無洗米装置 1名
・食味計 2名
コメントを見ると、現在は所有していないが、今後、直売を継続ないし拡大しようと考えているため、色彩選別機と無洗米装置の購入を考えているとの意見は少なくなかった。このことは本誌2004年11月号の特集『私がコメをやめないわけ』でも触れている。とりわけ色彩選別機は「直売農家にとって必須アイテム」とまで言いきる声もあった。
しかしながら、色彩選別機があるから品質に気を使わなくても良いというわけでは決してない。混入した異物を最終段階でチェックし、はじく機能がそこにあるだけであって、だからその前でどんな何が混入しても大丈夫なのではない。
生産者が精米を行なう加工場所、そこはいわゆる「納屋」であり、風も埃も出入り自由な空間にあることが多い。外部とは一線を隔した造りの加工場はめずらしく、長靴を履き替えるどころか、泥を落としてから入るという習慣すらないのではないか。
多くの人々にとって「食品加工工場」は、白衣、帽子、マスクなどを連想させるクリーンな場所ではないだろうか。確かに過剰すぎると感じる部分もあるが、それだけ「病害虫の発生」や「異物混入」は企業にとってあってはならない重要事件なのである。これは農家だから許されるという問題ではない。
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