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津軽・黄金崎農業通信

収穫を終え、野菜集出荷施設の竣工をひかえる黄金崎農場の秋

 ところで、現在、ダイコン生産でネックとなっているのは、収穫に多大の労力がかかることです。最盛期になると20人以上の人手で掘り取ることになるのですが、これを何とかして機械で出来ないかと、切望しております。

 ダイコン収穫機械は数メーカーで開発し、農場でも試験してもらっていますが、いずれももう一歩です。特に、ダイコンの豊富な葉の処理が難点となっているのです。しかし、優秀な我が国の農機メーカーのことですから、早いうちに実用化のメドをつけてくれると信じています。

 生育が良好な作物が多い中で、45haある大豆は一部の畑で生育が芳しくありません。青森県の奨励品種は良い種が手に入らないため、北海道奨励品種の「トヨマサリ」を全面導入しているのですが、特に土壌条件のやや劣る場所で生育量を確保できないようです。品種、栽培管理も含めて一層の勉強が必要です。

 幸い、東北農政局で大豆の振興を協議する場を設けることになり、当農場もその検討委員となりましたので、ここで大いに提言しながら、先進的な事例も学ぶことにしています。

 なにしろ、大豆の自給率は5%を切り、それでいながら国産大豆に対する需要が強いという事情があります。好適作物をなかなか見いだせない水田転作の問題もかみ合わせながら、大豆生産をどうするのか、農政局での多方面からの議論が待たれます。

 竹内が担当し、バレイショ、ダイコンとともに農場の核となる小麦は、好天に恵まれたため例年になく早い9月27日にほぼ種蒔きを終えました。グレインドリルという大型機械を使うのですが、竹内と助手一人で今年は過去最大となる150ha近い面積に植え付けました。昨年は種蒔き時が雨にたたられるなどして、その後の生育不良につながっただけに、竹内は念入りに深耕、施肥などを行っており、来年の収穫が楽しみです。


佐々木が青森県農業法人協議会の初代会長に


 我々は昭和51年に、農事組合法人としてこの農場をスタートさせました。そもそも農業経営の法人化は昭和30年代前半、徳島県や島根県などで税務対策の一環として動き始めたものです。その後、農協法に「農事組合法人制度」が位置づけられて法人組織は増えたのですが、我々が視察したところは、補助事業受け入れのためだけだったり、共同から個別化したりしているなど、本来の姿とは程遠いものが多くありました。そのため、黄金崎農場は、このような実態を反面教師にして「完全な協業にし、法人から給料をもらうシステムをやりとげる」という意気込みで発足したのです。

 平成4年、農林水産省は「新しい食料・農業・農村政策の方向」を打ち出し、時代の流れを踏まえた法人経営体の育成策を強めることにしました。それを受けて農業者の間に、法人化に対する関心が強まり、青森県では、去る8月22日、約30人の参画で青森県農業法人協議会が設立されました。全国では23番目の県単位での設立です。この協議会の初代会長に我が農場の代表佐々木君夫が選ばれました。喜ばしいことであると同時に、責任を感じます。

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