ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

編集長インタビュー

農業がチャンスを創る。そのために新しい労働力供給のシステムを作る

■フリーターを募っての農業研修、あるいは東京都心に「地下農場」を作って話題を呼ぶなど、独自の手法で農業にアプローチしている パソナ。 ■人材派遣の立場から、現在を「雇用創出」の段階から「機会創出」の段階への転換点と位置付け、生産現場や付随業務への人材供給を目指す。 ■その時代認識と戦略について南部靖之・グループ代表兼社長に聞いた。

農業は雇用の未開拓地 地下農場で魅力アピール


昆吉則 パソナでは一昨年、中高年の農業インターンシップを実施し、昨年はフリーターの若者を対象に秋田県大潟村で農業研修を行いました。これまで農業とは無関係だった企業が、そうした活動をするのは非常に有意義だと思います。

南部靖之 農業は世襲制で終身雇用が基本でしょうから、私たちからは最も遠い世界でした。
 しかし、日本の農業従事者は高齢化が進み、後継者不足も深刻と聞いています。もし、若者を農業ビジネスの担い手に育て、風を吹き込めれば、農業を新たな産業として復興させることが可能です。将来、農業を一般的な就職の選択肢に加えることもできるはずです。

 私は農業が雇用のフロンティアになると確信しています。経営の担い手としてだけではなく、大規模な生産法人などに財務や営業、デザインといった付随業務の面で本格的な人材派遣ができるようになると考えています。


昆 先月には、本社を置くビルの地下に、土耕・水耕栽培施設「パソナO2(オーツー)」がオープンしました。私は、この施設の技術協力者である東海大学の高辻正基教授と、20年以上前に話したことがありまして、当時から、教授は「農業は東京都心でやるのが最も効率がいい」と語っていました。ついつい経験主義に陥りやすく、周囲の見方も紋切り型になりがちなのが農業ですが、全く別の可能性、多様性を示していますね。

南部 本物の農家の方がかなり見に来ており、「こういう農業をやりたかった」と言ってくれる人もいます。施設自体は、まだまだ試行錯誤の段階ですが、都心の真ん中で人々に農業に触れてもらい、興味を持ってもらうのが狙いです。この施設から、消費者の家庭や一般企業に農業の魅力や楽しさをアピールできればいいと思います。

関連記事

powered by weblio