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エクセレント農協探訪記

千葉県・ちば県北農協

 前任者から岡田組合長がバトンを引き継いだのは、10数年前のことである。当時の組合長で衆議院議員だった染谷誠氏が、自分の後がまとして強引に口説き落としたのだ。千葉県信連の東葛支所長からUターンで副組合長に迎えられた。その当時、農協の金庫はそれほど豊かではなかった。岡田組合長が、経営再建に乗り出して、わずか数年で健全農協に生まれ変わらせてしまった。その秘訣は徹底した職員教育にあった。

 今では内部留保が30億円もある。県内でもトップクラスの厚みだ。地元のライバル銀行の支店長も、「県北農協さんは強いですよ。農家さんにはなかなか食い込めません。組合長さんの人柄で組合員さんが農協を全面的に信頼しているのが、ハタから見ていてよくわかりますね。転勤してきた地銀の支店長はここでは勝負にならないとボヤいていますね」と、岡田組合長の経営手腕には一目置いている。

 岡田組合長にとって、金融事業に携わる農協職員の資質向上は、喫緊の課題である。本格的な金融自由化時代を迎えて、地銀との間で圧倒的な差をつけておくためだ。最近は、農協が扱う金融商品も複雑になってきた。例えば、資金調達の手段として高利回りの金融商品を扱った時に、金利変動に伴う金利リスクを総合的に管理しなければならないからだ。岡田委員長は「民間金融機関へ職員を派遣して、貸し付け業務の実態を研修させようかなと考えています」とも言う。

 野田市周辺は首都圏の開発ブームのエアポケットのような場所だ。千葉から埼玉、東京都下、神奈川の一都三県を環状で結ぶ国道16号線が完成した20年ほど前に開発ブームがあったが、それ以降はどちらかといえば開発ブームから取り残されていた。しかし今度は、東京・秋葉原から茨城県筑波地区を結ぶ第二常磐線が管内の近くを通ることが確定していて、工事は2000年以降に完成予定である。それに伴い住宅や工場などの開発が押し寄せてくることは目に見えている。

 岡田組合長は、豊富な農協マネーを優良宅地の建設資金として供給することを考えている。もちろん農業との調和を図ることはいうまでもない。そうすれば貯貸率アップも同時に解決することもできる。岡田組合長の頭の中には、農水省や全中が指導する農協丸の「護送船団」から下船して、新しい時代の農協経営のあり方を真剣に模索する真摯な態度がしのばれる。

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