ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

編集長インタビュー

日本人はたくましさと自信を回復しアジアの発展に積極的に貢献すべき



昆 これはむしろ、日本人の振舞い方の問題なのですね。

金 日本人は同じ集団内では矛盾があってもそれを取り上げず、うやむやにして、とりあえず仲良くやって行こうとする。また、日本人はすぐ謙遜します。「私はだめだ」というのが美徳だと思っている。
 しかし、それが国際レベルでの接触となると非常に問題を生じます。


昆 そうですね。しかし、実は日本人のそうした態度は、日本人の自然観に根差した面もあるのです。ところが、それを外国の方に説明してわかってもらうことはとても難しい。理屈では説明し切れません。

金 文化を伝えるのは難しいです。基本的に、理解しようとする姿勢がお互いになければうまく行かない。

昆 ところで、本誌読者にもビジネスで中国とかかわる人が増えてきていますが、うまくいかないことも多いようです。聞いてみると、やはり文化の違いにてこずっている。

金 事前に、中国人の生活パターンや行動原理は調べておくことです。
 日本人の中国認識、朝鮮半島認識にはパターンがあります。中国なら、孔子や老子を輩出し、文化的に非常に優れた国だと思っている。ところが、いざ現地に行ってみると、不衛生で、人々は大ざっぱで、とてもショックを受けて帰ってくる。

 それで、中国というと、あこがれるか見下すかどちらかになって、本当の、真ん中にある真実を誰も見ようとしないんです。


昆 金先生の本を読むと、そのパターンが吹き飛びます。

金 それから、中国はやはり人脈の社会。人間関係を重んじます。法治国家ならぬ“人治”国家です。
 また、中国人は二つの面を持っています。つまり、面子をとても大事にするけれど、一方で実利も大事にする。それで、実利のためには場合によっては面子も捨てるのです。

 だからそこで上手に金を使えばいいんです。よく、「上に政策があれば下には対策がある」と言います。


昆 贈り物に弱いということですね。でも、それで中国は近代的な形で国際化できるのでしょうか。

金 日本人が中国に出向くことで先進的な文化が入れば、中国も変わっていくと思います。

昆 私は、逆に、日本にも外国から人々が来るべきだと考えています。

金 東洋史学者の内藤湖南は、中国が滅びなかったのは、歴史の中でいろいろな民族が入ってきて常に新しい血が入ったからと言っています。その点、日本は民族として老化、停滞しつつあるように思います。

昆 経済的な効果も期待できます。

金 まずは外国人への偏見をなくすことです。アジアの中でも、日本と韓国人がいちばん閉鎖的ですから。

関連記事

powered by weblio