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Opinion

農家はアップルコンピューターを笑えるか?

  • 末柄牧場 末柄淳
  • 2005年03月01日
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米国にアップルコンピュータというパソコンメーカーがある。主な製品としてMacintosh(マッキントッシュ)というパソコンを売っている。業界のデファクトスタンダード(事実上の標準)と言われるWindows(ウインドウズ)が動作しないパソコンなので、一般的にはちょっとマイナーだ。
 米国にアップルコンピュータというパソコンメーカーがある。

 主な製品としてMacintosh(マッキントッシュ)というパソコンを売っている。業界のデファクトスタンダード(事実上の標準)と言われるWindows(ウインドウズ)が動作しないパソコンなので、一般的にはちょっとマイナーだ。

 しかし、最近ではiPod(アイポッド)という携帯型音楽プレーヤーがヒットしているので、アップルコンピュータという会社名を知らなくても、製品ををご存知の方は多いのではないかと思う。

 1977年にAppleⅡ(アップルツー)というパソコンがこの会社から発売され、パソコンブームが始まったという人もいる。その後、1982年に知る人ぞ知るLisaというパソコンを発売し、マウスで画面上のアイコンをクリックするという操作方法が確立され、後に発売されるMacintoshシリーズに引き継がれ、同様の操作方法がWindowsにも採用されている。

 しかし、この会社、流通業界では、妙な価格設定をすることや、商品の供給が不安定なことでも有名である。

 まず価格設定だが、前記のLisaというパソコンはLisa Officeというオフィスソフトが内蔵されているなど、いろいろな面で画期的なものであったものの、220万円という価格だった。

 その後、1984年に発売されたMacintosh 128KはLisaの廉価版的な意味合いもあったのか、かなり安く値段設定されたようだが、それでも約70万円! !

 パソコンという商品の性格上、機械としての性能だけではなく、ソフトとの組み合わせで価値が決まるものなので、一概には言えないが、この、Lisa やMacintoshの価格設定は当時の電子部品の相場を考えてもかなり高めに設定されていた。参考までに、ほぼ同じ時期に発売されたNECのPC-9801を例として挙げると、Lisaと比べると機能的にはかなり見劣りしたと思われるが、30万円弱で発売されている。

 次に、商品供給の不安定さだが、今年(2005年)になってiPodshuffleとMac miniを発売したが、いずれの商品も、販売店の注文どおりには届かないらしい。販売店の店頭には「入荷未定につき予約も受けられません」という張り紙をしているところもある。この状態も今回が初めてではなく、以前にも似た状態になった商品があった。この状況、当然のことながら消費者からは不評である。

 翻って我々農家の生産物の価格設定と供給体制。

 自分の手取り金額しか気にしていない方が多いかと思うが、最終消費者に渡る状況をちょっと考えてみたい。

 例としていくつか挙げるが、まずは白菜。私の近所のスーパーマーケットでは半分に切ったものを100円前後で売っている(日替わりの特売)。しかし、昨年秋の暴騰したときには店頭にないこともあった。そしてコメ。新潟のスキー場のホテルの売店で、魚沼産はさ掛けコシヒカリを1kg1300円で販売していた。ちょっと高い! !

 個人向けの商品の供給は「収穫量が少ないので入荷がありません」と言って言い訳をすることもできる。しかし、業務用となると条件によっては「商品がない」では済まされないことも起きてくる。本誌2月号の特集記事の中に、業者が野菜を輸入する理由に国産野菜の供給の不安定さを挙げているものがあった。当然のことだろう。

 アップルコンピュータのMacintoshは、印刷やデザインの部門では業務用にかなり使われている。業務用に使われる高性能パソコンの供給不足はあまり聞かない。

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