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編集長インタビュー

農村と都市の格差是正へ 本腰入れ始めた中国政府

  • (株)農林中金総合研究所 基礎研究部副主任研究員 阮蔚
  • 第6回 2005年01月01日

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■2004年、農家と都市住民の所得格差などの問題を是正すべく、中国政府は改革に本腰を入れた。税制を改め内陸部の穀物生産意欲を高める。一方、海外に開かれた沿海部では、競争力のある近代的な農家を育てる。 ■アジアの農業事情に詳しい阮蔚氏は、その中国やアジア諸国で日本の農家は活躍すべきと考える。技術力があり、各国からの期待もあるからだ。

農村と都市の格差是正へ 本腰入れ始めた中国政府


昆吉則 2004年、中国政府はいわゆる三農問題に対して本格的な改革に乗り出したそうですね。これはどのような改革なのでしょうか。

阮蔚 三農問題というのは理解しにくい言葉だと思います。農業の低収益性、農村の疲弊、農家と都市住民との所得格差拡大、これら三つの問題をまとめて三農問題と言います。
 中国政府は2004年、税の減免、直接支払いの導入という形で、この三農問題解決へ向けて第一歩を踏み出しました。

 三農問題の背景には、中国が持つ二重の社会構造という問題があります。都市と農村が制度上はっきり分かれていて、農村に生まれた人が自由に都市へ移動したり、就職、就学することが制限されているのです。

 また、農家には農業税と農業特産税という課税がされてきました。農業税とは穀物生産に対する税金で、制度外の費用徴収と村民委員会の経費分を加えて、農地平年生産量の8.4%が徴収されてきました。農業特産税は80年代から始まった税で、野菜や果物など換金作物に対するもので8%でした。

 このことで、中国が輸出振興政策を一度も取ったことがないということがわかると思います。税金を取ってから輸出振興ということはあり得ませんから。

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