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小作料
全国平均の「普通」10a当たりの田畑小作料は、田が1万8800円、畑が9100円で、価格と同様に田畑ともに前年より下落し、昭和30年以降の年次別下落度合いも最大となった。これは、圃場整備による耕作条件の良化、標準小作料への移行などによる小作料上昇分よりも、農畜産物価格の低迷、新食糧法の施行、標準小作料の改訂などによる小作料下落分のほうが上回ったためとされている。
今回の調査結果では、価格・小作料ともに県・地域別の差異がより顕著となっている。これは新食糧法の施行などによって、生産、流通等を含んだ農業経営事情の地域差が、農地価格・小作料に、より色濃く反映された結果としてみることができる。
また、自作地有償移転面積の減少傾向と賃借権設定面積の増大傾向が続く現在では、小作地需要も増大傾向であると考えられるものの、圃場区画、立地条件、賃借権設定期間などの条件が需要と合致しないため農地の貸借が進まず、その結果として小作料の下落が進んでいるのではないだろうか。耕作放棄地が増加する一方、条件の整ったところでは、10a当たりの小作料が10万円を超えている。
全国的には、田畑の価格、小作料ともに下落傾向にあり、経営規模の拡大を図る農業者にとっては好材料とみることもできる。しかし、前述の小作地に関する問題もしばらくの間は残存すると思われることから、その様な問題点から生ずる困難を乗り越えられる農業経営が、今、求められている。
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編集部
下落続く田畑の価格・小作料
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