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「新潟県中越地震で、全国有数の高級ブランド米『魚沼産コシヒカリ』の水田が被害を受け、地域によっては来春の作付面積が9割近く減少することがわかった。専門家は『修復は早期には難しい。後継者難などで進む耕作放棄が加速する』とみており、ブランド米の存続を危ぶむ声まで出始めた」
「最も被害が大きいのは川口町で、作付面積の85%の300haが被災。また、10市町村の中で最も収穫量が多い小千谷市で20%(400ha)、旧堀之内町(現魚沼市)でも20%(75ha)の被害を受け、耕作ができない状態になっている。」
「一方、水田が被災したことで、耕作放棄に拍車がかかり、ブランド米としての存続が危ぶまれるとの声も出ており、平泉光一・同大教授(農業経済学)は『作り手の大半は高齢者で後継者難のため、地震の影響で耕作放棄が増えるのは避けられない。『魚沼産』自体が危機的状況にある』と指摘する」
【(2)行政よりも初動早い 流通業の被災地対策】
「新潟中越地震」の被災地レポートを見ていて胸を痛めるのは、車の中で生活を強いられている被災者の多いことだ。中にはロングフライト血栓症(エコノミークラス症候群)で命を落としてしまった被災者もいる。
そんな悲惨なニュースを目にして思い出すのが、今から2年前、アムステルダム空港からの帰途、17年ぶりの大嵐に巻き込まれ、空港が閉鎖となり、空港内で一泊させられたときのエピソードだ。
夕方6時頃欠航を告げられ、その3時間後には約5000人分の簡易ベッドが運び込まれた。ぼんやりとその光景を眺めていたが、その手際たるや実に見事なもの。この国には、日頃から「かくあれば、かくなる。かくなれば、かくすべし」の危機管理が徹底しているものだと感心してしまった。
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
土門辛聞
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