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【特集】
トラブル防いでコストダウン 実践トラクタ・メンテナンス
- 編集部
- 2004年12月01日
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1.エンジンまわり
悪路中の悪路を走行し、過酷な作業を強いるトラクタは、滅多なことでは壊れない頑丈な構造になっているが、エンジンを持つ機械である以上、いくつかメンテナンスを心がけるポイントがある。
【ファンベルト】
エンジンの駆動でダイナモ(発電機)やウォーターポンプを回すファンベルトは、メンテナンスの重要な項目だ。ベルトが長時間の稼働により緩んでくると発電力が落ち、バッテリーに電力をチャージできなくなり、最悪の場合はオーバーヒートの原因にもなる。シーズンの初めには必ずたるみをチェックしたい。
張り方はいたって簡単。例えば、ジョンディアのダイナモ。このタイプは、ダイナモの上下それぞれにあるネジを緩め、ダイナモを移動させることでベルトを張る。右上の国産トラクタは、ウォーターポンプ側に調整ネジが付いているのが分かる。
最近の外国製トラクタの中には、自動スプリングでベルトの張りを自動調整するものもある。
達人農家のここがPOINT
●オイル交換の時にベルトに触ってみて調整する。(篠原氏)
●純正よりサイズの大きいダイナモを取り付けているため、ベルトの摩耗を特に注意している。朝余裕がある時に見ることが多い。農薬散布後は、薬剤が付着して劣化の原因になるので注意している。(岩下氏)
【ラジエーター】
現在のトラクタは、ヨーロッパの一部の車を除き水冷式。そのため、エンジントラブルの原因のほとんどは、ラジエーターまわりに集中する。
ラジエーター内のクーラントつまり冷却水は、鋳物製のエンジン内を通ってエンジンを冷却するため、時間と共にエンジンのサビが回りドロドロになってしまう。
そのためクーラントの交換は2年か3年を目処に行いたい。外国製トラクタは、排水用のドレインプラグが複数付いてる場合もあるが、国産車のほとんどはクーラントを1カ所に集中させる仕組みになっており、作業はより簡単だ。
一般的には、ラジエーター前にあるオイルクーラーとコンデンサー(クーラーガスの冷却装置)までを総称してラジエーターと呼ぶが、この部分は非常に密集している。この間には何枚かのコアと呼ばれる網状の心部が挟まっており、ここがゴミやホコリで目詰まりを起すと冷却機能が低下し、ミッションオイルの温度上昇やオーバーヒートにつながるため掃除はマメにしたい。ボルト2本程度(工具を使わないものも)でスライドさせることができる。できればエアダスターでホコリなどを飛ばすのが望ましいが、なければ洗浄機の水圧を弱めにして代用してもよい。特に一番手前の防塵用の網の掃除は、徹底すべきだ。
達人農家のここがPOINT
●クーラントは2~3年に一度交換。トラクタは何台もあるので、順番に交換する。(篠原氏)
●ケミカルを使っているのでそれほど汚れないはず。掃除はエアでする。作業に合わせて、汚れそうな作業をしたときには念入りに行う。(岩下氏)
●クーラントに入れるケミカル類はワコーズを使用。いろいろ試してみるのが好きで、クーラント復活剤なども使ってみたりする。国産トラクタはラジエーター水が少なく、目詰まりしやすいように感じる。(渡辺氏)
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