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農・業界

鹿児島県沖良部島発、強風対策にジャガイモの千鳥植え

  • 編集部
  • 2004年12月01日
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鹿児島市から550km南に位置する沖永良部島では、島ゆえの強風対策として、伝統的な方法でジャガイモの植え付けを行っている。
機械も独特。夫婦一組で作業

 鹿児島市から550km南に位置する沖永良部島では、島ゆえの強風対策として、伝統的な方法でジャガイモの植え付けを行っている。

 同島は、年間平均気温が22℃と暖かく、早出しジャガイモの栽培が盛ん。10月後半に播種すれば、翌年2月の出荷が可能で、メークインやホッカイコガネ、ニシユタカなどが作られている。

 しかし、1~2月にかけて島には強い季節風が吹き荒れる。島の生産者たちは風の影響を受けにくい圃場を選んだり、防風ネットを使用するほか、植え付け方法にも工夫を凝らしている。

 それが、種イモを「千鳥の足跡」状に植え付けるという方法。強風に対し、茎葉が互いに支え合うように育つため、倒伏を防ぐことができるという。

 千鳥植えは条間25~30cm、株間約17cmが目安で、培土は千鳥の2条を1畦にし、畦間を120cmとしている。

 この方法に対応するため、島では独特の機械が使われる。ロータリの後ろにセットする植え付け機で、種イモホッパと種イモを投入する2本の筒、培土用ディスクが付いており、植え付け者は椅子に座って作業する。

 機械は夫婦一組で使われることが多く、夫がロータリで砕土、妻が背後で筒に種イモを入れていく。

 種イモは、右、左、右……と1個ずつリズムよく投入していく。2本の筒の出口は約30cm離れており、そこから左右交互に種イモが落ちるため千鳥植えができる。土の中へ落ちた種イモがディスクで覆土されて定植は完了する。

 この植え付け機は30年ほど前に考案され、現在でも生産者の大部分が使用している。ただ、株間17cmはあくまでも目安で、実際のところは、トラクタの速度と種イモの供給速度で長さが決まっていくという。

 千鳥植えの場合、メークインを10a当たり200kg播種しても、平均反収は1.6tと決して多くはない。

 他方、北海道型のプランタや府県の産地で使わるマルチングプランタも、一部の意欲的な生産者たちによって導入されている。

 中には、メークインで、2.5tもの反収を上げている人もいる。

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