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過剰の対策、欠乏の克服

土壌pH値は土と作物にどんな影響を与えるのか

前回は現場で比較的簡単に行えるpHの測定方法と測定機器の紹介をした。今回は、土壌が酸性化することで発生するリン酸の肥効減少やトマトの尻腐り、ハクサイの芯腐りといった害作用について、現象を理解するための解説をする。
生育好適pH値

 作物別に適正pHというものがあることに疑問を持ったことはありませんか?そして「こんなもの関係あるか」と逆らって植えてみると、満足に育たないことが多い。なぜでしょう。

 なかなか難しい質問ではありますが、こんなところから考えていってみたらどうでしょうか。

 当然、それぞれの作物には、植物としての原産地があります。この場合「原産地」とは、その植物の「種としての発祥の地」という意味です。

 稲で考えてみましょう。稲は東南アジアの熱帯モンスーン地帯で種としての発祥をしたことは皆さんの理解するところでしょう。熱帯モンスーンとは、たくさん降る雨と高い気温が特長の地帯です。この条件下では岩石風化はどんどん進み、その結果、岩石中のカルシウムやマグネシウムがまず溶け出し(溶脱)、これらの水に溶けたカルシウムイオンやマグネシウムイオンは、土壌溶液を微アルカリ状態にします。

 土壌溶液が微アルカリ状態にあると、岩石成分の中の主要成分であるケイ酸が溶け出します。これをケイ酸の溶脱と言います。

 ケイ酸の溶脱はカルシウムとマグネシウムの供給が続けられる間は続き、そして長い時間を経てカルシウムとマグネシウムを主とする塩基類を溶脱し終えると土壌溶液は酸性に傾き始めます。酸性側になると、ケイ酸の溶脱はとまります。これは、ケイ酸が酸性溶液では溶解しないことが原因です。一方、酸性溶液では鉄とアルミニウムが溶け出します。

 つまり土が酸性に傾き始めると鉄とアルミニウムの溶脱が始まるということです。これが熱帯モンスーン地帯における低pH土壌生成の流れです。日本の土壌が酸性であることも、同じような作用を受けたことによるものです。

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