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田牧一郎のカリフォルニア稲作便り

来年の計画のために今年の反省を、今年の反省のために調査・分析・データの蓄積を

新米の顔ぶれ


 さて、販売ですが今年も短粒良質米(コシヒカリ・あきたこまち)を使用した高級米と、中粒種(M401など)を使用した新しいブランドがいくつか登場しました。

 私も各社の新米がどの程度のものなのか知りたいため、スーパーで購入し分析をしました。

 袋を開けてみると、予想通り若干の臭いの出ているものもあったり、非常にきれいに精米し粒の揃ったものもありましたが、短粒種の選別の悪さが目立ちました。中粒種の最大2倍の値段の開きのある短粒種も、見た目では良くなく、特に日本の米粒を見慣れている私には残念に思えました。

 次に食味計にかけ、蛋白質とアミロースの含有量の比較をしてみました。

 食味の総合点での比較ではなく、単純に成分の比較をしたところ、短粒良質米とM401の違いははっきりと現れ、各社のブランド米もどのような品種を用いたか、ほぼ見当がつくくらいはっきりとした傾向が見られ、実におもしろい結果となりました。

 これから、実際に炊飯しての試験をしますが、サンプルの数が多いため時間をかけてじっくりとしていきます。結果は次号の楽しみにとっておきましょう。

 このような事をしているのはカリフォルニアのコメ業界の中でもごく限られた人のみです。より競争力のあるコメ販売を目指す一部精米会社が細かく分析を行っているはずですが、生産者の段階では残念ながら私だけのようです。

 私も今年の反省と来年の計画のため、そして販売のためにデータの積み重ねを開始したようなわけです。自らの生産したコメの力(実力)を知り、競合するコメの実力を測ることによって、より競争力のあるコメの生産に進めるからです。

 しかし、この様な調査・検査は始まったばかりで、特に食味に影響するファクターが多いため、整理に頭を悩ませているのも事実です。そして販売のための価格の組立作業と続きます。特に自分のコメのコストをしっかりつかむことは勿論ですが、市場で予想される評価と他社のコメの店頭価格を見て考えます。このようなことをいくつかの主だった市場で繰り返すことによって、しっかりしたターゲッ卜が決まると思います。

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