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農・業界

ブッシュ米大統領、「米国の生産者を支援することは米国の国土を保護すること」

  • 編集部
  • 2004年10月01日
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農場で過ごせることは素晴らしいことです。米国の農場や牧場に住む家族は我が国の最高の価値観を体現しているからです。農業は、米国に最初に生まれた産業と呼ぶべきものです。衣食を充足してきたこの産業は、今では我々のエネルギー源(バイオディーゼル、バイオ洗剤などの原料作物)の供給も行っています。
8月4日キャツンマイヤー家族農場(ミネソタ州 ル・スウール)遊説先での演説

 農場で過ごせることは素晴らしいことです。米国の農場や牧場に住む家族は我が国の最高の価値観を体現しているからです。農業は、米国に最初に生まれた産業と呼ぶべきものです。衣食を充足してきたこの産業は、今では我々のエネルギー源(バイオディーゼル、バイオ洗剤などの原料作物)の供給も行っています。

 米国の農場と牧場の成功は、我が国の成功に不可欠です。本日、この農場を会場にお話ししているのは、米国の成功について話す場所として相応しいからです。

 今日は生産者が果たすべき新しい役割についてお話していきます。


マーケット志向の農業

 健全な経済政策には、その基礎に健全な農業政策があります。我々が働きかけ通過させた「農業法(正式名称は食料安全保障法)の効力を私は評価しています。これは効果のある法案で、重大な変化をもたらしています。

 農業法により、生産者は政府の指令によってではなく、マーケットの現実に基づいた農業計画・運営がしやすくなりました。経済に関連するあらゆる法案を作成するには、マーケットを理解することが重要です。農業のマーケット志向は健全なことで、現状、うまく機能し生産者に利益をもたらしています。

 その理由は、国外に米国産農産物を求める消費者が多くいるからです。健全な農業政策は健全な貿易政策のことです。もし何か自分の得意なことがあれば、たとえば何かの栽培が本当に得意だとしましょう、そうだとしたら栽培した物を売り切るべきです。国内だけでなく海外でも。だから、私は海外のマーケットが開放され、我々の商品が公平に扱われることが確実になるよう力を入れています。

 貿易というものをこんな風に理解してもらえればと思います。米国のマーケットにもっと海外農産物が入ってくることはよいことなのです。なぜなら、消費者の買物の幅が広がるからです。もっと多く入ってくれば、消費者は本当に買いたいモノをはっきりと決めることができます。なぜなら、商品の選択肢が増えれば増えるほど、競争が生まれ品質のよいものが安く手に入るようになるからです。貿易効果とはそういうもので、マーケットはそうやって機能するわけです。

 このように我々が国内で外国産農産物を公平に扱うように、我々の農産物も外国で公平に取り扱われなければなりません。そうさせるのが、よい貿易政策なのです。我々は外国のマーケットを開放させています。外国マーケットが開放されればされるほど、我が国の生産者にとっては有利なのです。なぜなら、ルールが公平である限り、いつ、どこで、誰とでも競争できる力を皆さんは持っているからです。


相続税廃止は農業発展に必須

 我が政権は、相続税を廃止する方向で議案を提出しています。活気に満ちた農業経済を持続するには、相続税を廃止し、連邦政府の関与なしに農場を次世代に受継がせられるようにすることが必須です。相続税という税金がある意味はないのです。

 我が米国農業の生産性は、どこでも競争できるレベルにきています。米国の生産者の農場利益は、史上最高を達成しています。高い利益ではなく、史上最高の利益を記録しているのです。農産物輸出は上昇傾向です。農場の資本と土地評価は高まっています。言い換えれば、農業経済はうまくいっています。このまま継続できるよう私は最善を尽くします。


休耕奨励金を倍増

 国土保全についてお話します。今回の「農業法」で最高の改正内容は、「保全のための休耕権利」でしょう。この法案は、農場主が、土壌保全、水質保全、野生生物生息地の保護など、正当な理由で農地を休耕させることを奨励しています。

 前回の農業法と比べて、休耕権利のための奨励金は倍増しました。今後10年で約400億米ドル(約4兆3000億円)の予算がついています。

 キャツンマイヤー夫妻は、この権利の意味をよく理解しています。シャーレイ夫人はこう私に説明してくれました。「国土保全って、農地を自然に戻すってことにお金をつぎ込むってことね」。農地を、自然な土に戻し続ければ、国土が枯渇することはないのです。自然に戻すことは、よい習慣なのです。国中の生産者が賛同してくれることでしょう。


休耕登録の無条件延長

 3つのイニシアチブについてお話しします。

 第一に、「保全休耕プログラム」を拡張・拡大して参ります。このプログラムは、国と民間がパートナーシップを結んだ我が国最大の国土保全事業です。約80万人の生産者が参加しています。国から毎年(地代の)支払いを受け取ることで、生産者は一部の農地で休耕し、自然状態に戻しています。この事業のお陰で、1986年以来、土地の侵食は40%減りました。

 現在、3500万エーカー(1416万ha)の土地が保全休耕プログラムに登録されています。その約3分の2が2007年と2008年に期限切れを迎える予定です。この土地が保全されることを確実にするために、私は農務長官に対して、早期の再登録制度を設け現在のすべての契約を更新するように指示しました。

 これで生産者は、自分の土地が再登録されるかどうか心配することはありません。間違いなく再登録されるよう行動に移しています。さらに、新規に80万エーカー(約32万ha)の土地を休耕申請できるよう農務長官に指令を出しています。


牧草地も休耕奨励金の範囲に

 第2に、保全休耕プログラムを農地間の境界の役割を果たしている牧草地まで広げる計画をしています。私は農業大臣に25万エーカー(約10万ha)の牧草地を保全対象にするよう指令を出しています。その牧草地の多くはコリンウズラなど野生の鳥の住みかになっており、保全プログラムを拡大することで、コリンウズラの数を年75万羽ほど増やすことを目指しています。


湿地にも奨励金を適用

 第3に、保全休耕プログラムを現在適用されていない湿地にも拡大しようと考えています。現状、適用を受けているのは洪水の時に水没する草原だけです。私が新たに適用しようとしている湿地は、この辺りで「大草原の穴ぼこ」と呼ばれている地帯で、キジ、カモ、その他の鳥の生息地となっています。湿地を保全することは野生動物によいことなのです。私はそのような湿地25万エーカーの保全に必要な予算のやり繰りをしています。これも先日のアースデイで述べた今後5年の内に、30万エーカー(約12万ha)を保全しようと呼びかけたイニシアチブの一部です。

 ここでお伝えしたかったことは、農場主や牧場主に(国土保全の)権利を付与することで、我々はアメリカの自然を守れるということです。

 神よ、皆様方全員に祝福を。引き続き偉大なアメリカに祝福を。ありがとうございました。


解説:税金使って農民票集めの批判も

 アメリカ大統領選を11月に控え、農民票を意識してミネソタ州の農場を会場に行われた演説の抄訳である。内容は、いかにブッシュ政権が生産者支援策を実現してきたか、今後どう支援するかを具体的に訴える内容になっている。ポイントは3つ。(1)輸出促進のための補助金削減に対して懸念を抱く生産者に対して、アメリカの農産物が海外で公平に取引されるよう諸外国に市場開放を迫っていることをPR。(2)相続税廃止は、生産者には土地相続で非常にメリットがある。(3)環境保全のための補助金の対象と金額を大幅に増額することを発表。(3)はこの演説ではじめて国民に公表された保全休耕プラグラムの修正事項である。今後10年にわたって年間約1兆3000億円の予算が計上されている。都市向けメディアの反応をみると、この補助金増額について、「環境保全を名目に、都市住民からの税金を農民票集めの手段に使っている」との批判もある。

(編集部)

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