ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

特集

韓国トラクターの実力 「低価格」だけではないユーザー評価の高さ 

結論から先に言えば、「韓国製トラクタはお買い得!」である。それが今回の特集のために取材した韓国製トラクタユーザーのほとんど一致した意見であった。北海道、茨城、千葉そして九州を中心に韓国製トラクタの導入が増えている。それどころか韓国トラクタは、北米、豪州では日本製をしのぐシェアを獲得している。現在、日本国内で販売されているのは、デドン(大同)、クッチェ(国際)、トンヤン(東洋)、LGの4ブランド。その本格的販売が始まったのは、ここ1~2年と日が浅い(韓国トラクタが、日本国内で販売され始めたのは10数年前にさかのぼるが、販売網、保守体制の整備が進んだのはここ数年)。少なからぬ読者は、韓国製トラクタに偏見を抱いているというのが実情であろう。しかし、今日その認識は改めるべきである。
 国内機種は、コンピューターによる作業機制御が当たり前だ。それに対して韓国製の制御装置は、マニュアルのポジション・ドラフトおよび、そのふたつを使ったミックスコントロールのみという場合が多い。その他の装備も型落ちの技術と言うべきかもしれない。しかし、それによって作業上の支障があるわけでもなく、使用上に問題となる欠陥でもない。

 韓国トラクタを扱う農機店は全国でもまだわずかである。国産各社はもとより販売体制の整った外車と比べれば、サービス体制も見劣りする。それゆえに導入への不安感を抱くのも無理はない。

 しかし、実際のユーザーたちから、それで困ったという話は聞かない。むしろ、その機械のシンプルさゆえに故障も少なく整備も容易だという声が多かった。

 しかも、韓国トラクタの販売価格は90馬力でも400万円以下という安さなのである。1馬力当り10万円(高級仕様では15万円)が相場と言われる通常のトラクタと比べたら、大型機なら半値以下である。

 この事実を無視して、経営コストを語ることができるだろうか。

(昆吉則、小山明子、野村大樹)

関連記事

powered by weblio