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【ライスボードのポジティブ米ニケーション】
批判、疑問は承知の上。でも、やられっぱなしでいいのかよ!
- 豊永有
- 第4回 1996年12月01日
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食糧庁の書類申請に泣く
新食糧法では輸出・輸入の自由が法律で明文化された。農林水産大臣の許可を受ければ誰でも輸出できるのだ。しかし、最初は許可がなかなか下りなかった。フランス・オーストラリアに送るコンテナ積み出しの日は迫っているのに許可がない。
電話で食糧庁の担当者に催促しても、
「計画外米の申請をしているか」
と、逆に質問をされてしまった。ライスボードは生産者の集まりだから、輸出する米が計画外の申請をしているかどうかが分かる。しかし、消費者や商社が町で買った米を輪出しようとしたらどうするのだろう。計画外の届け出まで調べてお伺いを立てなければいけないのだろうか。
電話ではラチがあかないので東京の食糧庁に直談判をしに上京した。その時に担当者の口から出た言葉は忘れられない。
「需給バランスを見て輪出を禁止することも考えられる」
一昨年の米パニックの時ならいざ知らず、300万tの在庫を抱える国の食糧を担う方としては何とも優雅なご意見だ。国の在庫を減らすため、輪出は褒められ助けられるのならば分る。しかし、書類申請受理が遅れて舶便に間に合わなかったらどうするのだろう。開いた口がふさがらなかった。
遅まきながら許可が下り舶便に間に合い、めでたしめでたし。その後、毎月フランスに輪出している米については、滞りなく許可が下りるようになった。食糧庁にしても輪出は初めての仕事なので致し方がなかったのかもしれない。
500kgを空輸する
アメリカヘの輪出は8月末の土曜・日曜の2日間のイベントがメインだ。だから、米が遅れることは許されない。思いっきりコストがかかるが空輸することにした。しかし、この時点で食糧庁の許可が下りていなかった。
許可なしの場合は、アメリカへ行くメンバーが一人100kgを自家消費用の食糧ということにして、無理やり持ち込もうとしていた。
100kgプラス個人の荷物と必要機材。「ポーターを雇わなければ」と笑いあっていたが、目だけは誰も笑っていなかった。会議をする度に「おまえが無謀な企画を立てるからこんな目に遭うんだ」と、メンバーの心の声が聞こえて来る思いだった。
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豊永有
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