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土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

小久保英次さん(愛知県渥美町)の場合

 また、榛から溶出する微量要素も、この腐植の存在と合致して、キャベツに成分供給と土壌化学性を維持しているはずです。

 3番目の土壌物理性を連作が悪化させてしまうということについてですが、連作を続けている人でもサブソイラやプラウ耕などを心掛けている人であれば、物理性を悪化させていないと思います。

 しかし、同一作物の栽培は機械体系も同一となり、その踏圧などにより圧密層をつくりやすいのですが、この篠土は、少しばかりトラクターなどの接地圧により圧密化しても、根の生育にはあまり悪影響を及ぼさないのです。

 そして、キャベツは酸素を多く求める作物の典型なのですが、この点についても榛土はすぐれています。

 4番目の毒素説、排泄物説については、ザル状態の畑であることが大いに連作を可能としているのです。

 つまり、根が分泌する毒素や排泄物を下層に流してしまうことができる土壌ということです。

 また、多少存在しても、酸素が充分に供給されているので、微生物による分解がうまく進んでいるということです この現象は、燎土地帯ではない人達も大いに学んで欲しい事項です。

 表土に気をとられて、下層土、心土の管理をいいかげんにしてしまってはいないだろうか、ということです。

 この壕土地帯も地下水が低く、湧水による害がないのでこのように成り立っているのです。

 5番目の土壌微生物相の片寄りということですが、現場では、土壌消毒も実施されているし、また根こぶも見られました。

 しかし、この問題が完全に生産阻害となっている地区と比べれば、ほんとうに軽傷であります。

 土壌微生物性は、現場での調査もうまく出来ず、まだまだ未知の分野かも知れませんが、現在よく解明されている化学性や物理性をよく考えて、現場の対応をしていけば、その打開策が浮かんでくると思います。

 以上、愛知県渥美半島の局部的ではありますが、榛土地帯を調べ、その中から連作障害の本当の原因は何かと考え、それに取り組む人の誤解や、場を繕うのに便利だとして、この言葉を使ってしまってはいないだろうか、と疑問を持った次第です。

(関祐二)

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