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【自分の畑は自分で診断する】
これなら分かる「土と肥料」の実践講座土壌改良剤
- 農業コンサルタント 関祐二
- 第20回 1996年12月01日
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土の機能の理解で実現する本当の施肥
「農家・農民の時代は終わった」
この言葉を自信を持って言える時がついに来ました。
私は職業柄、かなり多くの農業生産に携わる人々に交わる機会があるのですが、その中で農業が好きで参入してきている人々の目には鋭いものを感じます。
望んで参入する、好きで参入する、思いがあって参入する、これは一人の人間がその職業を希望するとき、ごくあたりまえの事なのです。
この当然の理由を最初から、いや途中からかも知れませんが、あきらめている人々がいます。それが、農家・農民には多いのです。
自分の願っている行動を他から抑圧されて生きているなら、まだ活力を失うことはないのですが、自分で自分の思いを抑圧して生きてしまっている人に自ら生きる活力が生まれてくるでしょうか。
その生き方や暮らしの中から出てくるものには、愚痴がどうしても多くなってしまいます。
過去の時代は、職業を選びたくても選べなかったのだと思うし、それはそれとして、決して間違ったことを選択したのでもなく、取り返しのつかないことをしたのでもないはずです。
ここで改めて、真剣に考え直さなくてはいけないことは、これから先の生き方、これから先、どんな暮らしを自分でつくっていきたいか、その思いをはっきりとさせることではないでしょうか。
「なぜ農業をしているのですか?」という質問に返ってくる答えは、「土地があるからだ」というものが多いのです。
恵まれているということは、どういうことなのでしょうか。
土地があることが農業を志す物に有利な条件であるのか、いや逆に土地があることは不利なことなのか、答えはわかりません。
ただ一つ言えることは、土地のない人が農業を志す場合に必要とされるものがあります。
それは何か?それは「覚悟」なのです。
その覚悟とは、自分の描く暮らしを成り立たせ、自分の思い望む心の体験ができ、自分の果たしたい社会の役割を演じたいと思うことなのです。
そのための手段として、資金も必要でしょうし、借地も必要でしょう。また、農業の技術も必要となるでしょう。
農業コンサルタントの仕事に求められているものが技術である場合、それはこの農業界が発展初期段階であるからだと思うのです。
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関祐二 セキユウジ
農業コンサルタント
1953年静岡県生まれ。東京農業大学において実践的な土壌学にふれる。75年より農業を営む。営農を続ける中、実際の農業の現場において土壌・肥料の知識がいかに不足しているかを知り、民間にも実践的な農業技術を伝播すべく、84年より土壌・肥料を中心とした農業コンサルタントを始める。 〒421-0411静岡県牧之原市坂口92 電話番号0548-29-0215
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