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●有機系資材
【・泥炭類】
これは、低湿地、沼地、湖やその周りに繁茂していた様々な植物が、その遺体を酸素不足の状態の中に残し、嫌気状態のまま微生物分解をある程度うけて、変化したものにまた生育、分解、堆積を繰り返してできたものであります。
この泥炭を採取して、水選し、ふるい分けして爽雑物を除外し、脱水、乾燥の過程を加え、強酸性のものについては中和して製品とします。
泥炭類は、その堆積が大きく分けて3種類あり、低位泥炭、中間泥炭、高位泥炭と呼ばれ、それぞれ生成条件やその品質が特長としてあります。
日本国内では北海道が最もその分布が多く、製品化されているものも多くなっています。
しかし、世界全体から見れば、日本の埋蔵量はO・2%程であり、旧ソ連61%、フィンランド8・2%、カナダ7・8%となっていて、品質的にも圧倒的に外国産のものが優れていると言えます。
それでは、性質と土壌改良剤としての特性についてですが、泥炭そのものの性質としては容水量が大きいことがあげられます。
これは、泥炭の組織内に多くの孔隙が分布していることであり、これは容積量が極めて低いことでも理解できます。
容水量は、日本の代表的埴壌土の44・3%に対して289~1057%ということで、堆肥などよりさらに多く、その保水される水の有効域も作物に利用されやすいものです。
では栄養面はどうかというと、無機成分としては、リン酸、カリをはじめ低成分ということがいえますが、この貧栄養であることが現在、多くみられる過飽和になった土壌には有利なのです。
また泥炭は土壌に施しても、微生物のエネルギー源の炭水化物含量がきわめて少ないので活発な微生物分解は起こりにくく、従って有機物としてある程度の期間、土壌中にその形態をとどめることにより物理性の改良効果を維持し、また窒素飢餓を起こすことも少ないと言えます。
泥炭の塩基交換容量は日本の土壌の平均値20meに比べるとずっと大きく100me程度ありますが、圃場に10a当たり200kgとか300kg入れても保肥力を高めるような効果はありません。
以上泥炭の性質をみてきましたが、高位泥炭に分類されるミズゴケを構成植物の主としたものが良質品ということになります。
施用する際の注意点は、無機成分が低く、微生物を活性化させることも少ないので、物理性改善を目的とし、保水性、膨軟性を高めることを主と考え、ハウス栽培における施用、また育苗用に混合施用する程度がコスト面から妥当と思われます。
【・泥炭類】
これは、低湿地、沼地、湖やその周りに繁茂していた様々な植物が、その遺体を酸素不足の状態の中に残し、嫌気状態のまま微生物分解をある程度うけて、変化したものにまた生育、分解、堆積を繰り返してできたものであります。
この泥炭を採取して、水選し、ふるい分けして爽雑物を除外し、脱水、乾燥の過程を加え、強酸性のものについては中和して製品とします。
泥炭類は、その堆積が大きく分けて3種類あり、低位泥炭、中間泥炭、高位泥炭と呼ばれ、それぞれ生成条件やその品質が特長としてあります。
日本国内では北海道が最もその分布が多く、製品化されているものも多くなっています。
しかし、世界全体から見れば、日本の埋蔵量はO・2%程であり、旧ソ連61%、フィンランド8・2%、カナダ7・8%となっていて、品質的にも圧倒的に外国産のものが優れていると言えます。
それでは、性質と土壌改良剤としての特性についてですが、泥炭そのものの性質としては容水量が大きいことがあげられます。
これは、泥炭の組織内に多くの孔隙が分布していることであり、これは容積量が極めて低いことでも理解できます。
容水量は、日本の代表的埴壌土の44・3%に対して289~1057%ということで、堆肥などよりさらに多く、その保水される水の有効域も作物に利用されやすいものです。
では栄養面はどうかというと、無機成分としては、リン酸、カリをはじめ低成分ということがいえますが、この貧栄養であることが現在、多くみられる過飽和になった土壌には有利なのです。
また泥炭は土壌に施しても、微生物のエネルギー源の炭水化物含量がきわめて少ないので活発な微生物分解は起こりにくく、従って有機物としてある程度の期間、土壌中にその形態をとどめることにより物理性の改良効果を維持し、また窒素飢餓を起こすことも少ないと言えます。
泥炭の塩基交換容量は日本の土壌の平均値20meに比べるとずっと大きく100me程度ありますが、圃場に10a当たり200kgとか300kg入れても保肥力を高めるような効果はありません。
以上泥炭の性質をみてきましたが、高位泥炭に分類されるミズゴケを構成植物の主としたものが良質品ということになります。
施用する際の注意点は、無機成分が低く、微生物を活性化させることも少ないので、物理性改善を目的とし、保水性、膨軟性を高めることを主と考え、ハウス栽培における施用、また育苗用に混合施用する程度がコスト面から妥当と思われます。
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関祐二 セキユウジ
農業コンサルタント
1953年静岡県生まれ。東京農業大学において実践的な土壌学にふれる。75年より農業を営む。営農を続ける中、実際の農業の現場において土壌・肥料の知識がいかに不足しているかを知り、民間にも実践的な農業技術を伝播すべく、84年より土壌・肥料を中心とした農業コンサルタントを始める。 〒421-0411静岡県牧之原市坂口92 電話番号0548-29-0215
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