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編集長インタビュー

受身姿勢を脱却 必要なのは「攻め」の農業

 民間財界のシンクタンクである(社)日本経済調査協議会(日経調)は、今年5月、「農政の抜本改革:基本指針と具体像」という政策提言を発表した。この報告書は、農業をフードシステムの観点から捉え、新たな担い手経営支援策、農地制度の抜本改革、農業環境政策の構築、農村政策の新ビジョンなど農政改革の向かうべき方向を提言している。 報告の冒頭にある前文は「食料は『命の源泉』である」と書き出され、「我々は農業に夢を取り戻さなければならない」との農業に対するエールで結ばれている。これは、取りまとめの責任者であるアサヒビール(株)相談役・瀬戸雄三氏の意向で書き込まれたものだと聞いた。 報告をまとめた調査専門委員会の瀬戸雄三委員長に話をうかがった。なお、同報告書は生源寺眞一氏(東京大学教授)を主査に財界、学会、関係団体などから19名の委員が参画し、昨年3月から行なった調査と議論の結果をまとめたものである。 こおの報告書は日経調のホームページで全文読むことができる(http://www.nikkeicho.or.jp/)。
努力する農業経営者と国民に納得される農政を

昆吉則(「農業経営者」編集長) 今回の報告書を読んで意を強くする本誌読者は多いと思います。その内容は意欲を持って農業経営に取り組んでこられた方々が常々思ってきた内容だからです。

瀬戸雄三(アサヒビール(株)相談役) 委員会では、国民の視点からみた納得のいく農政改革を目指して、経済界、学界の委員20名と議論を重ねました。農業の現場にも足を運び、実態を踏まえた提言となるように努めました。昨年3月の委員会発足から1年間という限られた期間でのとりまとめ作業となりましたが、問題の本質を踏まえた提言になったと思います。

昆 瀬戸さんは長年、経済界に身を置かれていますが、その経済界は1970年代以降大きく変化しましたね。国境を越え、世界的に活躍する企業も登場しました。その分、多くの葛藤を経験し、問題を克服してきたと思います。
 農業がいま、同じ立場に置かれています。グローバル化の中で、多くの壁に直面しています。しかし経済界が克服したように、農業もやればできるはずだと思います。改革を成し遂げる原動力は、農業経営者の誇りや夢だと思うのですが。

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