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特集

労働力の調達と雇用をどうする?

求人と雇用の特集であると聞いて、自分には関係ないと思われる方も多いかと思う。確かに、我が国の農業経営の現状は、経営主自身の「手間を金に換える」「手間が儲け」というレベルにあり、求人や雇用の問題を考えたことはないという人の方が多いと思う。人に手助けを頼むことがあったとしても、隣近所の人を臨時でお願いするというものであるのかもしれない。本誌読者への聞き取りでも、稲作専業で後継者夫婦がいる場合などでは、20ha位までなら家族労力だけでこなすという人がほとんどだからだ。
「手間が儲け」を越える

 求人と雇用の特集であると聞いて、自分には関係ないと思われる方も多いかと思う。確かに、我が国の農業経営の現状は、経営主自身の「手間を金に換える」「手間が儲け」というレベルにあり、求人や雇用の問題を考えたことはないという人の方が多いと思う。人に手助けを頼むことがあったとしても、隣近所の人を臨時でお願いするというものであるのかもしれない。本誌読者への聞き取りでも、稲作専業で後継者夫婦がいる場合などでは、20ha位までなら家族労力だけでこなすという人がほとんどだからだ。

 しかし、酪農、野菜作、施設園芸、農産物販売、観光農園などを行なう人では、特に収穫調製にかかわる労力調達にお困りの方が多いはずだ。

 女化通信の高松求氏は、ご自身の経営を考える第一のこととして「夫婦二人で働ける経営」、「他人の労力に依存しなくても成り立つ経営の形」を考えられてきたという。「夏冬とも過剰な労働や失業期間のない過不足なく働ける状態」を経営としていかに作り上げていくか、を考えてきたという。それを前提として作目、作物、品種を選び、働き方を考え、機械を探してきた。畑作地帯で稲麦を中心とした経営で、地域の他の人々と経営内容が異質であることでお互いを補完しあえるようにする。自分の畑に他人を呼込み、麦や大豆の後に野菜を作らせて稲麦の機械化体系を前提とした年間作業計画を組むことなどである。

 外部に金を払うのを惜しむということではない。雇用はしないが、積極的に作業を外部委託する。不安定な形での雇用労働力へ依存することより、契約関係の明確な形で作業を外部委託する方が、見た目の経費が大きくなるようでも結局は得だと考えるからである。雇用を発生させない工夫もまた一つの経営の形なのだ。

 人を雇うにせよ、その必要のない経営を考えるにせよ、問題はその経営成果である。それは利益であろうし、仕事として何をなし得たかであるからだ。

 まともな農家であれば「出金を抑える」ことが「暮らし」を守ることの第一歩であると、家に伝えられてきたはずである。その考え方自体、経営管理の考え方として正しいことであろう。しかし、いうまでもないが経営者にとって「雇用」は経営目標達成のための手段である。もし雇用の必要があっても「出金を抑える」ことだけのために労働力の調達をしないというのであれば、それは稲作をやっているのに機械が高額だから手鎌で稲を刈ると言っていることと同じだ。

 また反対に、経営目標も定めず、現在の経営の形、機械化や作業合理化への反省もないままに、いつも目先の「手が足りない」ことへの対策としてだけで労働力の不足に悩んでいるのなら、それは雇用問題ではなく経営者能力の問題である。

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