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江刺の稲

2月15・16日に読者の会全国大会

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第142回 2008年02月01日

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 基調講演は一橋大学イノベーション研究所教授の米倉誠一郎氏。同氏は04年6月号から始まった「視点」欄の第1回目の発言者である(本誌ホームページで閲覧可能)。その中で同教授は「おそらく、自身をニューフェースだと感じている人、変化の兆しを感じている経営者にとっては、膝が震えるくらいのチャンスが来ようとしている。農業が虐げられていたという幻想を打ち砕き、起業家として成功したいという意志が問われている」と語っている。我が国のイノベーション研究および経営史研究の第一人者である。

 米倉教授の講演を受けて、たとえば、1腹ではなく心を満たす農業ビジネス2水稲生産における技術革新と経営展開3独自品種開発と流通開発で上場する4マーケットインの農業周辺インフラ5成功する産地からのネットビジネス6マーケット本位の生産者組織作りとは?7Made inJapanからMade by Japaneseへ――などのテーマでその実践者の報告を聞くとともに、あなたの事業や実践を検証していただきたい。そして、翌日はバスに分乗して見学ツアーを行なう。

 米倉教授はイノベーションを遂行する経営者のことを起業家(アントレプレナー)と呼ぶ。農業のイノベーションを実現するためには、「ムラ(業界)に産み落とされたままに生きるのではなく、ムラにいても自ら生まれ直すことのできる者」、すなわち本誌が主張してきた農業経営者の存在が必要なのである。

 農業は今、怒濤のように押し寄せる変化の波に飲み込まれようとしている。先進国では歴史的必然というべき変化を我が農業界では無理に押し止めてきた分、その変化は荒々しく、また一気に押し寄せるのだ。

 もう、「待った」は無い。しかし、その分だけ生まれなおすことのできる者にとってのチャンスも大きいのだ。

 農業を「周回遅れのトップランナー」だという人がいる。でも、現在に立ち止まっている限り時間切れの脱落者となっていく。かつて革新者を自負していた者でも、変化の波の前で逡巡する間に自らの居場所を失ってしまうのだ。

 事業の大小や今あなたがいる場所がどこであるかは問題ではない。農業政策がどうなるかでもない。あなたが、日本での農業イノベーションをどう考えるか、そしてイノベーターとしてアントレプレナーとしてのあなたがいるかどうかなのである。ぜひ、多くの読者および農業関係業界人のご参加をお勧めしたい。


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