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【江刺の稲】
成功者を目指す者は全国大会に集まれ
- 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
- 第143回 2008年03月01日
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参議院選挙の自民大敗後、秋口といわれる衆議院選挙を控え、農政は農協組織の思惑が当たって思い切りバックギアに入ってしまった。すでに完全に破綻したというべき減反政策の建前を守るために強硬な施策も出ており、農業界の混迷はさらにその度合いを増した。「なにで今さら日本でコルホーズ」と我われが批判した集落営農は1年を経ずして各地で大きな問題を起こしている。農協破綻や全農の経営不安も現実味を帯びてきた。農業の現実を何も理解しようとせず、ただ選挙目的にありえもしないバラ撒き政策を主張する政治家たちが、日本農業の未来を考えていないことを思い知らされる今日この頃である。
読者に向けては、顧客を持つものはともかく、水田経営に取り組む人にとってはまさに臥薪嘗胆の数年間が続くだろう。やがて米価は二極分解し、まともなコメを作り、顧客を大事にする経営者には望ましい未来が待っているのだから。不幸なことであるが、経営破綻する農家が増えるという我われの予測は言葉通りに現実化している。健全経営の人々といえども少なからぬ影響を被るだろう。
我われ経営者を守ってくれるのは農政ではない。市場社会と顧客たちだけなのである。
農業界一般はともかく、読者の多くはそれを当然のことと考えているようだ。本誌が募集したドバイ贅沢市場に向けた輸出とロシア、ヨーロッパにつながる中東圏でのMade by Japaneseを検討し、さらに「100兆円オイルマネーを日本の農場に還流させよ!」と呼びかけた本誌主催のツアーには当初の予想を裏切って多くの読者が参加を申し込まれている。さらに、初めての試みである「農業イノベーション」をテーマにした一泊二日(2月15・16日)の「読者の会全国大会」の参加申し込みも好調だ。定員が100名となっているため、ご関心のある方は早めのお申し込みをお願いしたい。基調講演をお願いする米倉誠一郎氏(一橋大学イノベーション研究センター教授)とシンポジウムの司会をお願いしている財部誠一氏の二人も、農業とイノベーションの担い手たる読者に出会うことを大いなる好意とともに参加を楽しみにしている。お二人とも、初日は終日ご参加いただけるとのこと。パネラーとして報告いただく読者の皆様ともども皆で楽しく夢のある日本農業のイノベーションを語り合おうではありませんか。
自らの人生を思い通りに生きるという意味で成功者たりえる者の数は決して多くはない。でも、日本の社会では貧しさを感じる者もいたとしても、それはほんの半世紀前にあたりまえだった多くの者が飢えや欠乏のおびえの中に生きねばならぬ時代ではもうない。格差が存在することは事実だとしても、誰にも成功者となりえるチャンスは与えられている。自らの夢とそれにチャレンジする意思を持ち続ける者である限り。学歴が高く豊かな家庭で育った者の方が条件に恵まれているとは言える。でも、学歴や知識の多さが成功者足りえる条件だろうか。学歴や知識の多さは無駄ではないが、それがあるから成功者となるわけでもない。我われは事業者として成功を目指しているのである。知識など必要と思えばこそ付くものであり、学歴などは関係ない。
現代という時代や社会の中で夢を持ち人生と社会の革新にチャレンジする意思を持つ者とそうでない者がいることだけ。それさえあれば誰でも成功者たりえるのだ。
読者に向けては、顧客を持つものはともかく、水田経営に取り組む人にとってはまさに臥薪嘗胆の数年間が続くだろう。やがて米価は二極分解し、まともなコメを作り、顧客を大事にする経営者には望ましい未来が待っているのだから。不幸なことであるが、経営破綻する農家が増えるという我われの予測は言葉通りに現実化している。健全経営の人々といえども少なからぬ影響を被るだろう。
我われ経営者を守ってくれるのは農政ではない。市場社会と顧客たちだけなのである。
農業界一般はともかく、読者の多くはそれを当然のことと考えているようだ。本誌が募集したドバイ贅沢市場に向けた輸出とロシア、ヨーロッパにつながる中東圏でのMade by Japaneseを検討し、さらに「100兆円オイルマネーを日本の農場に還流させよ!」と呼びかけた本誌主催のツアーには当初の予想を裏切って多くの読者が参加を申し込まれている。さらに、初めての試みである「農業イノベーション」をテーマにした一泊二日(2月15・16日)の「読者の会全国大会」の参加申し込みも好調だ。定員が100名となっているため、ご関心のある方は早めのお申し込みをお願いしたい。基調講演をお願いする米倉誠一郎氏(一橋大学イノベーション研究センター教授)とシンポジウムの司会をお願いしている財部誠一氏の二人も、農業とイノベーションの担い手たる読者に出会うことを大いなる好意とともに参加を楽しみにしている。お二人とも、初日は終日ご参加いただけるとのこと。パネラーとして報告いただく読者の皆様ともども皆で楽しく夢のある日本農業のイノベーションを語り合おうではありませんか。
自らの人生を思い通りに生きるという意味で成功者たりえる者の数は決して多くはない。でも、日本の社会では貧しさを感じる者もいたとしても、それはほんの半世紀前にあたりまえだった多くの者が飢えや欠乏のおびえの中に生きねばならぬ時代ではもうない。格差が存在することは事実だとしても、誰にも成功者となりえるチャンスは与えられている。自らの夢とそれにチャレンジする意思を持ち続ける者である限り。学歴が高く豊かな家庭で育った者の方が条件に恵まれているとは言える。でも、学歴や知識の多さが成功者足りえる条件だろうか。学歴や知識の多さは無駄ではないが、それがあるから成功者となるわけでもない。我われは事業者として成功を目指しているのである。知識など必要と思えばこそ付くものであり、学歴などは関係ない。
現代という時代や社会の中で夢を持ち人生と社会の革新にチャレンジする意思を持つ者とそうでない者がいることだけ。それさえあれば誰でも成功者たりえるのだ。
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
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