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Opinion

異業種との連携も模索。転換期を迎えた4Hクラブ活動

  • 全国農業青年クラブ連絡協議会 会長 鳴河順一
  • 2007年05月01日
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皆さんは4Hクラブをご存知でしょうか? 読者の中にはOBやOGの方々もいるかと思いますが、まず、私たち4Hクラブの紹介をします。
 皆さんは4Hクラブをご存知でしょうか? 読者の中にはOBやOGの方々もいるかと思いますが、まず、私たち4Hクラブの紹介をします。

 戦後間もなく農業改良普及所の指導のもと全国各地でクラブが組織されました。4つのHとは、Hands・Head・Heart・Healthの頭文字をとって名づけたものです。それぞれ、農業の改良と生活に役立つ腕を磨き、科学的に考える頭を訓練し、誠実で友情に富む心を培い、元気で働くための健康を増進するという意味です。

 こうした全国各地域にある4Hクラブ(農業青年クラブ)を集めた組織が全国農業青年クラブ連絡協議会(以下全協)で、現在41の道府県が加盟しています。

 さて、今年の2月27日から3月1日にかけ東京都渋谷区にある国立オリンピックセンターにおいて、全協が主催する第46回全国青年農業者会議が農業青年、関係機関を含め約350名が参加し開催されました。

 この会議の目的は農業技術や生活環境の改善に取り組む研究成果を発表し、当面する諸問題の解決や発展方向を討議することです。3日間の会議を通じて、今回の共通課題(テーマ)は「実行 今こそ踏み出せ明日への一歩」。

 1日目は開会式後、(株)青葉の高橋がなり氏を迎え記念講演を行ない、夜には参加者での交流会を、2日目は作目別分科会で今考えられる農業のネガティブイメージについて協議し、その後、各道府県から選出された研究成果発表(17課題)、農業青年の意見発表(8課題)を行いました。3日目は会議全体をまとめとし全体討議を「農業をなりたい職業NO,1にする」をテーマに、パネルディスカッションを、コーディネーターに日本テレビチーフプロデューサーの今村司氏、パネラーに1日目に引き続き高橋氏、農業青年代表として滋賀県で米麦経営者の田中小有里氏、大分県で酪農経営をしている田畑修一氏の3名が、前日の分科会で話し合った農業のネガティブの解決について、会場の参加者を交えて討議しました。

 事前のネガティブアンケートでは、収入が不安定、休日がない、重労働などが上位でした。パネラーからは今後の農業経営の可能性や、メリットを活かすことが重要であるといった意見が出ました。

 やはり、従来からの問題を今の農業青年も抱え続けています。しかし、農業後継者が減少する中、現在の自分の仕事である農業においてポジティブに捉え、前向きな考えを持っている農業青年が多いことも事実でした。このように全国から20代中心の農業青年が集まる会議を通じて、今の自分に足りないものが何なのかを考えるきっかけになったのではないでしょうか。

 私は4Hクラブ活動とは「自己投資」だと思います。単に日々の仕事や目先の利益に囚われていては、本当の意味での成功や自己実現、目標の達成をすることはできません。

 これまでの全協は農業青年同士の活動が中心でしたが、今後は高度な情報化において、農業やクラブ活動の積極的な情報発信、消費者を含めた異業種の方々との連携が必要だと考えています。

 そういった意味でもこれからの農業は、新しい発想や経営方法を取り入れなければ生き残っていけない厳しい状況です。しかし、新たなチャンスを自ら掴む可能性も広がっています。

 だからこそ、今の時期に4Hクラブ活動を通じ得られる多くの経験や幅広いネットワークを作ることは財産であり重要なことではないでしょうか。これからの日本農業を担う私たちは、いかに現状を見つめ、本気で夢を持つことができるか、今がまさしく夢の実現に向け「実行」を伴った一歩を踏み出す時です。

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