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Opinion

天敵農業の普及拡大に向けて

  • アリスタライフサイエンス(株) 和田哲夫
  • 2007年04月01日
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1995年に天敵昆虫であるチリカブリダニとオンシツツヤコバチ(商品名はエンストリップ)が農薬登録されて12年が経過した。現在までに登録された天敵昆虫は15種類、天敵微生物は害虫用4種類、病害用8種類を数えるまでになっている。しかし、化学農薬の成分数500種に比べればその1割にも達していない。天敵昆虫が登録されてから最初の5年間は期待のみが先行してしまったが、2000年頃より地道に天敵、微生物を利用してきた生産者、指導者が経験と知識を積み重ねることで、生物防除での病害宙防除の成功率が飛躍的に高くなってきた。
 1995年に天敵昆虫であるチリカブリダニとオンシツツヤコバチ(商品名はエンストリップ)が農薬登録されて12年が経過した。現在までに登録された天敵昆虫は15種類、天敵微生物は害虫用4種類、病害用8種類を数えるまでになっている。しかし、化学農薬の成分数500種に比べればその1割にも達していない。天敵昆虫が登録されてから最初の5年間は期待のみが先行してしまったが、2000年頃より地道に天敵、微生物を利用してきた生産者、指導者が経験と知識を積み重ねることで、生物防除での病害宙防除の成功率が飛躍的に高くなってきた。

 当初は施設栽培といっても基本的には冬季以外は開放的な施設であり、外部よりの害虫の飛来を妨げるものもなく、天敵昆虫をどんなに大量に放飼し続けても、害虫を抑止することは極めて困難であった。微生物剤についても、当初は施設内の湿度を極端に高く設定(相対湿度90%以上)することなどの指導に重点がおかれていたために、必要以上に敬遠してしまう生産者も多かった。

 現在ではこのふたつの障害については、IPM(総合防除)の観点から、いくつもの改善案がだされ実行されている。これらの改善方法がIPMを構築してきており、ヨーロッパ型とはまた違った日本型の生物防除、IPMが現出してきているのである。以下にその実例を挙げる。

1.ハウスは開放型から閉鎖型へ

(1)0.4mmのネットを開放部分に展張。(害虫により1mm程度でもいいが一番の問題となるシルバーリーフ用には0.4mmは必要)。マルハナバチの逃亡防止にもなる。

(2)ネットを張ると施設内の気温が上昇するので、ルーフ部分に遮光剤を塗布する。果実温度の上昇防止という副産物もあった。

(3)施設内の気温上昇を防ぐ手段としてボルナドファンも設置する。

(4)ネットを張れない天窓部分などには黄色粘着シート、ロールを徹底的に設置。飛び込み虫の捕獲。

(5)出入り口の二重化。出入り口からの病害虫の侵入が予想以上に多く、二重扉、二重ネットを設置。特にこれは、TYLCV(トマト黄化病ウイルス)対策には必須。

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