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防除LABO

キュウリ編(その3)予防剤と治療剤ってどう違う?の巻

――被験者の声――
自分の地域は、ここ14~15年の新しい産地で、周辺にキュウリを作っている人は少ない。キュウリを始めたばかりのころは、べと病、褐斑病の対処法がわからず大変だった。それでも、できるだけ安い剤で予防中心のローテーションに変え、被害が出てしまったら「アミスター20フロアブル」や「フォリオブラボ顆粒水和剤」など値段は高いが効果の高い薬剤を使用するようにしてからは問題が解決した。強いて問題を挙げるとすればアザミウマだが、UVカットフィルムに変えてからは、わりと出なくなった。専門家に聞きたいのは、予防剤と治療剤がどう違うのか。前述のようなローテーションを組んでいるので、参考にしたい。
予防剤と治療剤を“適材適所”に

岡本(以下岡) 難防除の欄にアザミウマと書きましたが、ハウスの被服材をUVカットフィルムに変えてからは、発生がだいぶ減って特に困ってません。他の虫害も、発生を確認したら部分的に薬剤散布するようにすれば効果が出ており、過剰反応しなくても問題はありません。

専門家(以下専) それは何よりです。九州は抵抗性の出ている虫が多数報告されている地域ですから、恵まれた環境にあるといっていいでしょう。病害についてはどうですか。

岡 以前は、べと病、褐斑病の対処法がわからず大変だったこともありますが、できるだけ安い剤で予防中心のローテーションに変え、害が出たときに効果の高い剤を使用するようにしてからは、問題が解決されました。ところで、殺菌剤は予防剤、治療剤という分け方をしますが、その違いを教えてください。薬剤のラベルにはそうした情報がないので、安くて効果がそれほどない剤は予防剤、割高だけど効果が目に見える剤を治療剤と漠然と認識しています。

専 すべてそれに当てはまるというわけではありませんが、一般的に「保護殺菌剤」と呼ばれているものを予防剤、「浸透性殺菌剤」と呼ばれているものを治療剤と理解するのがわかりやすいと思います。

岡 よく聞く言葉です。それぞれの特性を教えてください。

専 保護剤は、植物の表面を薬剤でカバー(被服)し、菌の進入を防ぐもので、植物の組織の中に入っていくことはありません。岡本さんの言うとおり、安価な薬剤が多く、治療効果はありません。一方、浸透剤は、植物の表面をカバーすると同時に、組織の中にも浸透していき、菌の進入、蔓延を防ぎます。一般的に予防・治療効果を有しているものが多いのですが、薬剤によっては予防効果がないものや予防効果のみを有しているものもあります。

岡 簡単に言えば、浸透せず予防にしか効果がないものが予防剤で、浸透するものが治療剤ということですね。

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