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北海道型機械化体系に学ぶ大規模畑作経営の新たな潮流

北海道型機械化体系に学ぶ大規模畑作経営の新たな潮流

本誌5月号の特集の一部で「北海道型機械技術による府県畑作経営の可能性」をお伝えしたが、この続編として北海道で流通する畑作関連の機械を連載で取り上げていく。今回は、砕土・整地機の鎮圧に焦点を絞る。なお、ここでご紹介する技術や商品は7月13日から5日間、北海道帯広市で開催される「第31回国際農業機械展in帯広」での出展が予定されている。
 鎮圧と言えば、砕土・整地機の部類に属し、機械には重量感のある鉄車輪を備えたケンブリッジローラーなどが挙げられる。ただし、この鎮圧という作業も北海道ではまだ一部の人しか実施していない(麦踏みを除く)。なぜかと言えば、時に弊害を生じさせつつもロータリで作業をこなしてしまうからだ。

 一般に、播種床の造成はサブソイラとプラウで土壌の物理性を整えてからロータリで仕上げにかかるものだ。サブソイラとプラウをプラソイラ(スガノ農機)やスタブルカルチのような爪系作業機で代用したり、プラウ耕の後にディスクハローやバーチカルハローをかけることもあるが、いずれの場合にも鎮圧工程を加えている人はきわめてまれだ。ロータリの後部に装着されたカゴローラーを鎮圧とするのはいささか無理があるだろう。

 そもそも鎮圧にはどんな意味があるのか。大きくは次の二つが挙げられる。風害の防止と毛細管現象による地下水の利用だ。

 前者は、ロータリでの過砕土後に播種された圃場を想像してみればわかりやすい。排水性の悪化もさることながら、ひとたび突風が吹けば種子もろとも吹き飛ばされる。仕方なくも播きなおしによって対処することになるが、そのコストたるや相当なものだろう。時間も余計にかかる。一方の後者はと言えば、これまた過砕土が地下水の上昇するルートを断ち切るばかりか、前述のとおり排水性の悪化につながる。

 このように、ロータリによる過砕土は百害あって一利なしだ。これとは別に爪系作業機と鎮圧機を組み合わせればこうした事態を招くこともなくなるだろう。もちろん、マイナスをゼロにするだけでなく、作物の収量や品質においてプラスの効果も生まれてこよう。

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