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【ライスボードのポジティブ米ニケーション】
明日の「NOMO」は君、願いをかなえるために行動だ!
- 豊永有
- 第5回 1997年02月01日
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ライスを主食にする白人
MCCフードアメリカの経営する「ライスロード」は大型ショッピングモールの一角にあり、近隣にはハイテク企業が立ち並び比較的裕福な人が来店する。ライスロードはライスを主役にアメリカのファーストフードスタイルで提供していた。従業員はチーフを含め全員メキシカン。昼の忙しい最中にお邪魔したのだが全員テキパキ実によく働く。東京のハンバーガーショップで仕事をなめきったアルバイトとは動きが違う。ラテン系やるときゃやるぜ。
それよりもビックリしたのがお客様のほとんどが白人で東洋人は見かけない事だ。しかも、メニューは焼き肉・野菜炒め・カレーなどをライスの上にかけた丼ものばかり。ライスロードには名前のとおりライスのメニューばかりだ。皆さん、気持ちいいくらいに大盛ライスを食べまくっていた。
私の知っているテレビの中のメキシコ人は毎日がお祭りで勤労のイメージと程遠い。白人は米を野菜扱いで皿の片隅で目立たない筈じゃないの。アメリカに降り立って僅か一時間。インターネットの時代に生きる私の偏狭な先入観はズタボロだ。
華やかでスマートなライス
ショッピングモールの食料品スーパーを歩けばすぐに多種多様な米に巡り合えた。米売り場にはカリフォルニア産に始まり、オーストラリア、スペイン、タイ、フランス、世界の生産国から集まっている。なぜか日本で普及しているポリ袋は見かけず紙袋の容器ばかりだったのが気になった。
米売り場以外でもシリアルのコーナーで米を販売していた。このコーナーに並ぶ米はパッケージ・デザインが可愛らしく購買意欲をそそる。特に気にいったのがポシェト風の袋に詰めたオシャレなイタリア産の米だ。部屋のインテリアとしても十分使えそうだ。日本の米の販売方法はおおむね地味だがイタリア人はセンスが違う。
他にもペットボトルの米のなかに数種類の彩り鮮やかな豆が入っていて、炊くとそのまま豆ご飯になる物もあった。目を引くしお菓子のと見間違えそうだ。兎に角、随所に工夫が施してあり「米」が高度な商品として完成されていた。
「米」といえば「銀シャリ」のイメージから抜け出せない古い「米観」の日本人とは大違いだ。これからの米の消費を支える若者を相手に商売をする為には、「見せる米」と「若者向けのボーダレスご飯」を考えなければならないだろう。世界の米が輸入される時代に生きる若者たちは「米」に対する価値観が違うはずだからだ。
何故ならば、私はカリフォルニアの町並みをみて感動しなかったからだ。海や気候などの自然には随分と驚かせられ感動したが、ファーストフード・ショッピングセンターetc、皆日本と同じで興醒めしてしまった。「マクドナルド」しかり「am/pm」も日本で「見慣れた」と感じる感覚がアメリカ化の証拠だ。アメリカの真似で育つ消費者は必ずや「アメリカの米の食べ方」も真似するだろう。この事が解っただけでもアメリカに米を輸出した意味があった。
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豊永有
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