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【世界の農業機械・資材トレンド】
オーストラリア、フィンランド、オランダ、南アフリカ
- 編集部
- 2006年10月01日
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オーストラリア ホーム、スイート・ホーム
猛烈な競争が続く農機製造業界では、製造コストが業績に与える影響が大きい。このコストこそ、この度CNH社が、サトウキビ収穫用ハーベスタの製造工場をオーストラリアからブラジルに移転する決定的な理由となった。
オーストラリアのクイーンズランド州とニューサウスウェールズ州の、業績低迷に苦しむサトウキビ農家にとって、2004年に浮上したこの計画はうれしくない知らせだった。ブンダバーグ市にある古い工場の製造コスト、労働賃金、運送料金など財政面が綿密に調べられたが、数字は好ましいものではなかった。その結果、残念なことに、有名なオストフト工場の閉鎖、そしてCNH社傘下にあるケースIH社がブラジルに持つピラキカバ工場への製造移転が決まった。
CNH社にとってハーベスタ製造の新たな拠点となるこの工場を訪ねると、同社がなぜ最終的に移転を決めたのかがはっきりわかった。最新設備を有するこの工場は、ブラジルのサトウキビ生産の中心地であるサンパウロ州にあり、絶好の地の利を備えている。さらに、いま南米は世界のサトウキビ生産の35%を占め、この地域で使用されているサトウキビ収穫用ハーベスタは世界全体の45%とかなりの割合だ。しかも、この割合は今も急速に増加している。CNH社の特殊農機部門の責任者、カルロス・エドゥアルド・ヴィスコンティ氏によると、ブラジルで現在生産されるサトウキビで機械収穫される分は25%にすぎず、今後安定した販売を期待できるという。
ケースIH社がオストフト工場を買収した1990年代半ばは、毎年およそ100台余りのサトウキビ収穫用ハーベスタを製造していた。だが、ブラジルへの移転が決まる前では、年間製造台数はわずか10台ほどにまで落ち込んでいた。ブラジルの工場は交代勤務体制なしで年間240台の注文に応じられる製造能力をもち、特殊散布機、条播き機、コーヒーハーベスタも生産する。以上のような経緯はあるにせよ、オーストラリアの農家は、同国のサトウキビ市場がCNH社にとって戦略的に重要な存在であることに変わりはないと聞いている。
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