ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

特集

目利き農家のトラクタ選択術

クローラの併用で効率アップ 最新情報も追及して経営力を磨く

 キャビン付きトラクタの導入によって、夜間や雨天時の作業が可能となったものの、雪上作業やプラウをけん引する場合、ホイールには限界が現れる。そこで盛川氏はクローラトラクタを導入し、さらなる作業の効率化を図ることにした。

 2001年に購入した三菱農機MKM750Xは、水田と畑地に兼用できる、盛川農場でも特に「働き者」の1機。上の表からわかるように、ほかのトラクタの年間平均使用時間が100〜150時間であるのに対し、本機のみ200時間以上稼動している。この「過労」を補うため、昨年にはモロオカMK110Kを新たに購入。本年からクローラ2機体制で作業に臨むことになった。

 ただしフルクローラの機動性の弱さは否めず、盛川農場のように広大な面積を管理するケースでは、圃場間移動に手間がかかる難点がある。ホイールタイプのジョンディアJD6210では時速45kmでの走行が可能だが、クローラは時速12kmほど。また舗装道路を走行する場合、クローラが痛むだけでなく、路面に大量の泥を撒き散らすことになる。ホイールとクローラそれぞれの長所と短所に、作業機との相性を加味し、効率的に使いこなすことが求められるのである。

 このように複数のトラクタを併用する例は珍しくないが、盛川氏の場合は使用機種のメーカーが偏らないことが特徴だ。これは盛川氏が情報、技術力とも販売店を上回るように心がけ、営業マンとの付き合いにとらわれない機種選びを行なっているからである。

 盛川氏は、情報収集のためには海外の展示会にまで足を運んでいる。世界の最新情報が、いずれは日本の農業機械市場や、中古品の流通動向など、自らの経営にフィードバックされてくるからだ。それらの情報を分析し、数年先の設備投資計画、資金繰りを立案しているのである。


三菱農機MKM-750X(75ps)
■購入年/2001年 ■購入価格/400万円
■購入先/農協からデモ機を中古で購入
■主な用途/水田・畑地の整地作業、溝切り、雪上の作業など
■購入理由/水田作業用としてクローラ・トラクタが必要だったが、購入当時、この機種以外の選択肢はなかった。オペレータの負担が少なく、22歳の長女でも運転が務まる。


モロオカMK-110K(110ps)
■購入年/2007年 ■購入価格/160万円
■購入先/個人バイヤーから中古で購入
■主な用途/水田、畑地の整地・均平作業、溝切り、雪上の作業など
■購入理由/100馬力クラスのクローラ・トラクタが必要だった。春の整地作業時は悪天候が多く、リスクを回避するために、三菱MKM-750Xの予備機としての役割もある。本年から本格稼働させる予定。


■盛川周祐
岩手県花巻市 有限会社盛川農場 代表
■面積/水稲9.6ha(そのうち70aで乾田直播、60aで湛水直播を実施)、小麦24.7ha、大豆10.6ha、ソバ1.2ha、馬鈴薯0.4ha
■労働構成/盛川氏本人と妻の裕子さん、長男の祐さんの3人。氏は若い頃に、近隣の自動車整備工場で働いていたため、トラクタについても優れた機械知識と整備技能を持つ。そのためメンテナンスのほとんどを自分でこなす。

関連記事

powered by weblio