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リレー訪問 農場に勤める誇りと夢

ゆとりを生むための仕事・・・の巻

各地の農場には優秀な若手が勤務している。数ある職場のなかで、農場に勤めることを選んだ彼らは、農業や勤める農場をどのように見つめ何を感じているのか。リレー訪問第10回は、(有)茨城白菜栽培組合に勤める唐澤秀氏が(有)マルミファームに勤める稲吉保氏を訪問する。
唐澤 まず、こちらの農場について教えていただけますか。

稲吉 うちの農場では繁殖から肥育までを手掛ける一貫経営をしています。母豚は現在400頭、2003年に新しく豚舎を建てて母豚230頭から規模拡大しました。全体数としてはこの10倍くらいになります。

唐澤 稲吉さんはそういった中でどういった仕事をご担当されてるんですか?

稲吉 農場長をしています。計画通り出荷できるように進行を管理する仕事ですね。といっても獣医でもある後継者の方とおおまかに役割分担をしていて、その方が種付けから離乳までの繁殖部門や病気についてみてくれています。僕は主に肥育部門の担当です。そのほかにスタッフの管理とか浄化槽やコンポストなどの糞尿処理設備もみています。簡単にいえば少しでも短い期間で豚を大きくさせて、できればその全部を出荷できるようにするというのが、僕らの仕事になります。

唐澤 豚はどういった管理をするんですか?

稲吉 うちは成育段階に応じて豚舎・豚房を移動させていくんですが、移動させるときは「オールイン・オールアウト」(AI・AO)というやり方でやっています。何頭かの豚をグループにして1つの豚舎にいれ、一定期間そこで生育させたらこのグループの豚を全部、別の豚舎に移していくやり方です。規模拡大した時に作業フローを改善する目的もあって導入したんですが、こうすることで別の集団の豚との接触が避けられるので、病気の感染を予防できるんですよ。これで、離乳後に死んでしまったりする事故率が減り、生産効率がよくなりました。

唐澤 導入したときは大変だったでしょうね。

稲吉 この前にウィークリー管理法という方法を採用してたんですよ。このベースがあったのでできたんだと思います。

唐澤 それはどういうものなんですか。

稲吉 豚は、妊娠して114日で出産するとか、母豚の発情サイクルは21日周期だからいつ種付けができるとか、大体予測ができるんですよ。こういった豚の生理と作業の段取りを調整して、作業が平日に集中するようにするやり方です。これで1985年から隔週週休2日制を実現していたんですよ。これにAI・AOをあわせると今の管理の仕方になるんです。

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