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リレー訪問 農場に勤める誇りと夢

ゆとりを生むための仕事・・・の巻

唐澤 そこまで計画的にやるもんなんですね。「ぼちぼち種付けでもやるか」(笑)という感じで、もっとフレキシブルなんだと想像していました。出産してからは何日くらいで出荷できるようになるものなんですか。

稲吉 平均で日齢176日ですが、150日でだせる豚もいれば、200日かかってもまだ出荷できない豚もいます。日齢も大事ですが、毎週出荷する曜日が決まっているので、そのときに出荷体重115〜118kgになるように努力しています。できれば過不足なく115kgにしたいですね。

唐澤 出荷体重はどういう基準で決めるんですか。

稲吉 枝肉の規格におさめるための目標値です。枝肉の格付けを「上」にしたいんですが、枝肉重で75kgくらいを目標にすると、歩留まりから逆算してこの出荷体重がでるわけです。少なくとも決められた頭数は出荷できるように、各工程を担当している従業員それぞれにも目標を持たせてやっているところです。気候がいいと成育が思いのほか早かったりと難しい点もありますが、今までの積み重ねもあって、受胎率と事故率が安定していれば10カ月先に何頭出荷できるかが見えてきます。

唐澤 僕がやってる仕事とも共通点がありますね。どれくらい出荷するかは決まっていて、余分に収穫もしない。計画通りにやるけども、波はあって、あとはその場その場でどう調整してあわせていくかということをやります。できちゃってからだと遅いので、収穫が近い畑があると先に売り込みをかけたり、早いうちに冷蔵庫に保管したり、先手先手です。そうすると無駄もなくなるし、それだけお金も残ると。

稲吉 そうですね。うちの場合、計画通りに進めるということに関しては特に厳しいんですよ。何しろAI・AOで計画的に豚が移動していくので、それに作業が追いついていかなければ行き場のない豚が出ることになります。例えば、分娩舎に母豚をいれる予定の日にそこを空けておくことができなければ、哺乳できないところで分娩することになります。そうすると損害になってしまうんですね。こういったことは絶対に起きないようにしなければなりません。豚舎を空けるために、無理にでも出荷することもあるくらい計画を重視しています。成育段階ごとに担当が決まっているので、それぞれがやるべきことをきちんと実行していないといけないんですよ。

唐澤 誰かががさぼったりすると、すべてが狂ってしまうわけですね。

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