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海外レポート

GM大豆9割の米国から日本の農業を見る

米国の農家は何故GM品種を選ぶのか? 答えは明確だ。ただ儲かるか否か。GM品種が増えれば、逆に大きなプレミアムが付くことになるため、NON-GM品種を手間やコストがかかっても作ると言う人もいる。その場合も、彼にとってはNON-GMの方が高い収益が見込めると判断するからだ。誰に強制されるわけでもなくマーケットと自らの経営条件を見つめた結果の判断である。さらに、「GMで種子企業に農家は経営を牛耳られる」という批判を語る人もいるが、米国の農家は、それをナンセンスと一笑に付した。消費者に、そして生産者にメリットのない技術など普及するはずもないのだ。今月は、実際にGM品種およびNON-GM品種を栽培する米国の農家の声を紹介する。(昆吉則)
 前号でも紹介した通り、すでに米国では単なる除草剤耐性や害虫BT遺伝子を組み込んだ害虫抵抗性品種の利用という段階を超え始めている。健康ブームに乗って一気に生産が増えているビスティブ低リノレン酸大豆などがその例である。これは従来育種で開発されたビスティブ低リノレン酸大豆に除草剤耐性遺伝子を組み込んだ種子として販売されているものだ。遺伝子組み換え反対派の人であれば、「なぜ、GMでないビスティブ低リノレン酸大豆の種子を販売しないのか?」と聞くだろう。しかし、米国の農家は、たぶんそんな種を買わないのだろう。すでに、遺伝子組み換え種子は、様々な農薬や肥料と同様な標準技術であるからだ。そして、GM品種を選ぶか否かは、儲かるか否かの経営問題に過ぎないのだ。

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