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特別企画

激突対談 高橋がなりX木内博一

AVメーカー「ソフト・オン・デマンド」を100億円企業に育てながらも、「農業をやる!」と引退した高橋がなり氏。思い描くのは、ズバリ“生産から流通までの一貫を取り仕切る”事業だ。しかし業界には生産・加工・流通・販売を手がける注目の農事組合法人「和郷園」が存在する。その同代表にして農業界の先輩・木内博一氏と高橋がなりが膝を交えて語り合った時、農業経営の新しい未来が見えてくるか!? 白熱の2時間に耳を傾けよ!
 二人が顔を合わせたのは千葉県香取市にある和郷園の事務所の一室。農場、リサイクルセンター、冷凍加工工場などの視察を終えた高橋がなりは、「勉強になりましたね〜」と若干興奮気味だ。それを迎える作業着姿の木内博一は終始穏やかな笑みを浮かべている。二人が椅子に座るなり、どちらからともなく熱のこもった会話が始まった。


木内博一 高橋社長は『¥マネーの虎』を観た時から、一度会いたいなと思ってたんですよ。またどうして農業に関心を持たれたんですか?

高橋がなり 自分を一番活かせられる業界じゃないか、と思ったんです。AV業界って昔は流通や小売の商売人が儲けて、生産者が損して働いてる世界だった。今の農業にも同じイメージを抱いていて。

木内 その体質を変えてやろうと思った?

高橋 そうなんです。だからAVで稼いだ10億の資産を農業に注ぎ込んで、イチかバチかの挑戦でドン・キホーテになってやろうと。ただしやる以上は勝ちたいんです。木内 そういう反骨心は自分に似てるかもしれませんね。私がこの仕事やり出した頃はバブルの中盤で、農業やっている仲間がスナックでバカにされたんですよ。それが悔しくてこの仕事で見返してやろうと……和郷園もそこから始まってますからね。気持ちはわかるな。

高橋 ただ僕は仲良くすると活力が湧かないから、最初はケンカ売っていくつもりです。木内さんとも手を握るというより、盗めるものは盗むつもりで今日は来ました。

木内 それは頼もしい(ニヤリ)。実際に野菜は作ってみました?

高橋 作りました、小さい家庭菜園で。そこで感じたのは、こんなに手間がかかる野菜を安く売ってる生産者はすごいなあと。僕が作ったらキャベツは原価1000円かかるだろうし、もっと高い値段じゃないと売りたくない。これは将来、野菜を高く売れる市場を作らなければと思いましたね。

木内 それは儲からないから?

高橋 金儲け目的ではなくて、いい野菜には適切な価格がついてほしいんですよ。僕は優秀な農家になる予定なんで、いい値段で買ってもらわないと困っちゃう。カッコよくいえば野菜が生活必需品からぜいたく品として扱われるように、文化そのものを変えたいわけです。

木内 それなら生産だけで終わるつもりはないということですか。

高橋 そうです。ただね、和郷園を見学して、こりゃ生産ではすぐにはかなわないぞと実感したのもあるんですけど。

木内 農業の生産は難しいですからね。工業と違って、経験、勘、タイミングが複合的にからまって成り立つ。それ一発はずしただけでダメなんですよ。

高橋 でも最終的には、生産から消費者が食べるまでの一環を提案するのが理想ですね。和郷園のシステムはどうやって考えたんですか?

木内 私は農家の倅なもんで単純ですよ。シンプルに考えただけ。22歳でこの仕事を始めた時、農業で食っていくために何すればいいんだ?という疑問から入ったわけです。消費者の目線だったり、流通の面から農業に必要なものを補っていって、生産に留まらないシステムが出来あがったんですよ。

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