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読み切り

「農業経営者」実演・シンポジウム再録
野菜の生産と流通が変わる!〈カタログ請求〉付野菜の生産流通のあり方について

 いまこうやって、農業者の方々が集まって、夜遅くまで勉強し必死の思いでやっておられるこの姿が、主体的な農業経営者になる絶対的な基盤ではないかと思います。

 一人でやるのは挫けます。やはり、こういう場でおたがいに知りあっていくことが大事だと思います。

 ダイエーの中内も、イトーヨーカドーの伊藤も、ジャスコの岡田も、みな机を並べて勉強していたんです。その頃の彼等の店数はせいぜい2、3軒でした。それがいまダイエーで言えば4兆円を越すグループ企業に成長しているんです。

 いまここにお集まりの皆さんの中から日本の農業経営者王が現われる可能性は十分あるんですから。そのために大いに知識を広めて頂き、よそのところをよく見て頂きたいんです。

 私は北海道の畑もよく知っています。九州宮崎の甘藷や鹿児島もよく知っています。福岡矢部地方ではナスを作っています。夏秋ナスが出る時期以外にそこから大田市場に空輸で出しています。そういういろんなケースを皆さんが勉強し続けていけば、きっと素晴らしい経営者が現われるのではないかと思って期待をしております。


特別寄稿 野菜の生産流通のあり方について
個別では戦えない。今こそ新しい組織作りを!

(村井信仁氏)


 カリフォルニアの花卉組合長の話を聞く機会があった。今、カリフォルニアの花卉作は離農者が出る程大変なのだそうである。何故かと言えば、コロンビアやメキシコから安く花卉が輸入され、それに太刀打ち出来ないのだそうである。かつて、越境して労務者として働いた人達が、技術を習得して国に帰り、花卉を生産し始めた結果とか。東南アジアに限らず開発途上国と言われていた中南米も動き始めてきた。

 さて、新しい動きにどう対応するかであるが、オランダを参考に法律を作って市場整備をするのだそうである。オランダは花卉では世界に君臨している。その秘訣は法律で全部市場を通すようにし、ここで一定の賦課金を徴収するところにあるとか。つまり、そのお金が組織的に新種の開発や世界への宣伝費に当てられているのだという。この強固な体制作りがオランダの花卉作を支えているので、これを見習うというのである。賦課金も売り上げの5%程度らしいから大したことはない。

 これ迄、カリフォルニアの花卉作がピンチになることなど誰も考えなかったことである。時代の流れというのは恐ろしいものである。それにしても、如何にも緻密な感覚のオランダらしいところである。その計画性は敬服に値する。

 今回、「野菜の生産と流通が変わる」シンポジウムに出て、おかしいと感じたことが二、三あった。日本の卸売市場のシェアは年毎に低下しているとしていたが、これを喜んでよいかどうかである。8・5%も手数料をとっているのに何をしているのだ、構造的欠陥か?と考えたりもする。

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