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読み切り

「農業経営者」実演・シンポジウム再録
野菜の生産と流通が変わる!〈カタログ請求〉付野菜の生産流通のあり方について

 まあ野菜のほうは素人だったもんですから、皆さんに高く売れたでしょといったら、いや共選で出しているから値段みな同じだよっていうわけです。だけど、◯◯さんちは契約で、どんどん持ってきてくれといわれて10円、20円は高く売れたというんで、これはちょっと問題だと思いまして流通の専門家をひとり作りましてね。それといまの東一、大田市場のほうですが、いきなり直販やりますと、万が一もっといいのが出たときには「はいご苦労さま」で終りです。それで野菜の流通も豚の流通も同じだから、日本一の市場の中で最大評価されるまで頑張ってみようと思い、当初は包丁もたせまして、朝3時に東一に行かせ、いろんなバイヤーさんに食べさせました。

 最初は、「なんだ、この派手派手しい『ザ・キャベツ』というのは」とお叱りも受けましたし、いろいろあったんですが、数日後には「おめえんとこのザ・キャベツ、ありゃ甘いな」という話になりまして、そこそこにバイヤーさん達が東一に内緒で契約の話を持ってきてくれます。そんなことからボチボチやってきて結果的に約2割ぐらい高く売ることができたんではないかと思いますが、農家さんにもご満足頂いたわけです。

 その後、「春だけのキャベツじゃいらねえよ、1年間おまえのところのザ・キャベツ頂けないか」、という話が来まして、それで私の養豚仲間は北海道から九州までおりますので、これは面白いから渥美半島の養豚家を口説こうか、真夏は北海道や東北の養豚家を口説いて、そこでキャベツ作ってもらおうか、と考えましてやり始めたわけです。

 今年に限りましては、キャベツの年間出荷をオール値決めにして700円でやったんですが、これがものの見事に成功しまして、他は200円、300円ということですから、まあ大成功です。

 それでも、あまり大きな風呂敷は広げられませんので、1日500ケースでやったんですが、今年は地元の農家さんに非常に喜ばれまして、農家さんは消費税3%払いませんので、その3%を私のとこに下さいということで、私が手数料3%頂いているわけです。

 それと、ひと月前くらいに、大変いい名前をデパートバイヤーさんに教えて頂きました。

 消費者の方に「豚のウンチとオシッコで作った野菜」などと謳ってもアピールしませんので、何て呼ぼうか、いい名前があったら商標登録しようかなどと考えていましたら、「おい、うちのデパートでおまえのとこの豚肉売ってるんだからこのストーリーでやろう」といいましてそれでポーンとつけてくれたのが『山西牧場の野菜たち』という名前なんです。これは素晴らしい名前だというんで、すぐに商標登録出したわけなんです。

 これだけ有機だ、無農薬だ、といっているのに、畜産公害をいい続けて、畜産農家を山のてっぺんまで追い上げてしまい、山の上で家畜に小便たれさせているだけで、それをもう一度大地に戻すといっても、これはほとんど不可能です。

 やはり、自然の循環というのは大地があって、そこに家畜がいればキチンと戻ってくるんです。これからは農家が主体となって日本の大地を守っていかなければいけないし、その中に畜産のあるべき姿があると確信しております。

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