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海外レポート

GM大豆9割の米国から日本の農業を見る

 たとえば、北海道の条例での交雑防止の規定で、テンサイ(ビート)の場合では2000mの距離を置くとされている。しかし、テンサイは花が咲く前に収穫するものである。一般的に種子も農協や精糖会社から供給されるわけであり、交雑の可能性は極めて小さいといえる。さらに、トウモロコシでは1200mの距離を置くこととされているが、緑肥や飼料用の種として輸入されるトウモロコシにGM品種が混ざるということはないのだろうか。食品用のものでも5%までの混入は認められていることを考えれば、現実的にはすでにGMコーンは日本のどこかで育っていると推測すべきだろう。

 2006年段階で世界のGM作物を商業栽培している国は、EUの6カ国を含めて世界22カ国。栽培を規制する国といえども、それは安全性や環境のリスク問題というより、国民心理や農産物貿易に関するガードとしての意味合いが強い。あえて言えば、EU諸国では「GM作物不使用」の表記が許されるのは混入率0・01%以下であるのに、わが国では0・5%以下までそれが認められている。国内農業の保護という点から考えれば日本の農家はハンデを背負っていると言うべきだろう。


日本独自のGM品種開発を

 多くの反対派の人々は「日本のような規模の小さな国でGM品種を作っても所詮コストで太刀打ちできない」と主張する。しかし、それは初期のラウンドアップレディーの段階での話だ。その上に、日本の市場に合わせた、そしてさらには日本固有の特色ある品種やそれによる商品開発が進むことによってこそ、日本農業は競争力を持ち得るのである。やがて、除草剤耐性や害虫抵抗性を持たせるGM技術などは、農薬利用と同様に作物栽培の標準的技術となる時代が来る。

 官民を問わず、わが国の研究者たちのGM技術開発に大いに期待すべきだし、農業経営者たちもまた、科学的知識とともに、その理解を広げていく努力をすべきなのである。(終わり)

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