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【津軽・黄金崎農業通信】
ニュージーランドで規模拡大の可能性をみました
- (有)サンアップル醸造ジャパン 社長 木村慎一
- 第7回 1997年04月01日
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無農薬ダイコン販売
今冬は、例年になく穏やかな天候が続きました。小麦の緑が日ましに色鮮やかになっています。積雪が少ないので3月半ば過ぎるころにはトラクターが走り回れる日々がやってきそうです。
早く農作業ができるといえば、深浦のこの地に入植した昭和51年が思い出されます。ほかの仲間3人(一人は中途離脱)とやっとのおもいで、30haの農地を取得して、農事組合法人黄金崎農場をスタートさせたのです。現在の20分の1にしか過ぎない面積ですが、当時としては大きなものでした。その購入農地は耕作放棄されていたために荒れ放題でした。それを雪が少ないのを幸いに3月半ばから開墾し始めたのです。ススキ、ハギなどが一面を覆って原野化し、ヤナギ、マンサク、ウツギなどの低灌木もおい茂っている土地をブルドーザーやトラクターを使って本物の農地に生まれ変わらせたのです。今の農場の原点になった死に物狂いの作業だっただけに、この時期になると、脳裏によみがえることがあるのです。あのつらい、血のにじむような苦労があったからこそ、これまでがんばってこれたし、これからもどんな試練がこようとも、耐えられる気がするのです。
現在の主な作業は、越冬したニンジンの掘りとり、加工ダイコンのカット、県内向けを主体とした種バレイショの選別です。ニンジンは、大手メーカーのキャロットジュース原料として出荷されます。ダイコンは、大手漬物メーカーに納入します。種バレイショは、出荷直前の選別作業になりますが、選別して長期にわたって貯蔵しておくと、品質劣化、腐敗などが生じているのを分からないまま、出荷することになり、評判をおとすことになります。そこで、当農場から直接生産者にわたる県内向けでは、出荷直前に選別して、品質を保証するようにしているのです。
品質保証とは明示こそしていませんが、ユーザーの信用を得るためには、当然の対応なのです。
3月11日、当農場産の有機・無農薬ダイコンを使ったたくあんづけが全国約100店舗のイトーヨーカドーから発売になりました。減農薬のたくあんづけは既に神戸の生協で高い評価をいただいているだけに、この完全無農薬ダイコンにも期待しております。発売してから日数がたっていないために、詳細な報告は入っていませんが、製造した群馬県の株式会社山傅から聞くところでは出足好調のようです。
商品仕様は、16cmにカットされたもので、「樽だし・こだわりの大根」の商品名が印刷され、その下には「有機肥料・無農薬大根使用」と書かれています。裏には、素材を紹介するコピーが次のように印刷されています。
「このたくあんの原料である大根は、二十数年前に設立された青森県西津軽郡にある黄金崎農場にて収穫されたものです。弊社(山傅)はこの農場と協同で、より良い品質の原料を求め、徹底した土づくりに努力を重ねました。本商品はこの農場において、無農薬・有機肥料により大切に育てられた大根のみを原料として使用しています」
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木村慎一 キムラシンイチ
(有)サンアップル醸造ジャパン
社長
1950年、青森県生まれ。4Hクラブの仲間とともに76年、農事組合法人黄金崎農場(現・⑭黄金崎農場)を設立。88年、青森県青年農業士会会長に就任。2001年、青森県農業経営士会会長に就任。05年、黄金崎農場を退社し、⑰サンアップル醸造ジャパンを設立。07年、ウクライナで大豆栽培に携わるも、11年に撤退。12年、ミャンマーとロシア(ウラジオストク)で農業指導に当たる。
津軽・黄金崎農業通信
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