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世界の農業機械・資材トレンド

フィンランド、アメリカ、オーストラリア、南アフリカ、オランダ

フィンランドで農機を保守管理するためには、まず寒さから守る必要がある。農作業のかなりの部分は、農機の寒さ対策といってもよい。なにしろ、極寒の地だ。マイナス20~25℃は当たり前、マイナス25~35℃になることもある。農場の機械や施設は、環境にあわせて設計管理する必要がある。
フィンランド 早春、次の冬に備える。

 フィンランドで農機を保守管理するためには、まず寒さから守る必要がある。農作業のかなりの部分は、農機の寒さ対策といってもよい。

 なにしろ、極寒の地だ。マイナス20~25℃は当たり前、マイナス25~35℃になることもある。農場の機械や施設は、環境にあわせて設計管理する必要がある。

 まずエンジンブロック用のヒーターは、すべてのトラクタで標準装備。もちろんオペレーター用のヒーターもキャビンに必要だ。万が一に備えて自動バッテリー・チャージャーを携帯する農家も多い。

 氷雪にはチェーンとスパイクタイヤだ。丘陵地や森林での作業にはチェーンが不可欠で、除雪を請負う業者は軽量スパイクタイヤが必需品だ。旅客用の車両は約85%が11月から3月までスパイクタイヤを履く。

 雪のない時期でも、整備の手は抜けない。特に注意するのは燃料系統から水を完全に抜くことだ。燃料自体も耐寒性のものに取り替える。フィンランドでは、マイナス20℃まで使える夏用タイプ、マイナス30℃まで使える冬用タイプ、さらには40℃まで使える北極圏用の燃料と、3タイプの燃料が発売されている。

 バッテリー系統も油断できない。ディスプレイ、電解液のレベル、チャージされているか、常に確認する。電解液すら凍っている場合、作業前にバッテリーをヒーターで温める。朝のエンジン始動は一発で決めたい、その気持ちは一緒なのだ。


アメリカ センサーで施肥を最適化

 オクラホマ大学の農学研究者ビル・ローン氏は、世界中の農家が穀物に散布している窒素肥料のうち、67%はロスになっているという研究結果を明らかにした。

 近年、エネルギーの効率的利用に社会的関心が集まっているが、ローン氏の研究チームは1990年からこの問題に取り組んできた。当初は雑草を光学的に計測するセンサーの開発から着手した。

 このセンサーを応用したものが、施肥の最適化システムだ。「グリーンシーカー」として製品化したものをエヌテック・インダストリー社が販売、大学がパテントを保有している。このシステムはスプレーヤーに取り付けたカメラで作物の光学的データを集め、生育状態を分析する。その結果がスプレーヤーの制御部に伝えられ、その場でその時に必要な肥料を散布する。これでロスになっていた施肥コストを削減できる仕組みだ。

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