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GAPレポート

一定の普及を達成し、第2ステージに入ったJGAPの方向性とは?「販売力向上への戦略的位置づけが鍵」

NPO法人日本GAP協会は、GAPに取り組む生産者が自主的に発足した組織で、JGAPの普及をすすめている。2007 年8月にはグローバルGAP(旧ユーレップGAP、今年9月に名称変更)との同等性認証も確認された。JGAP認証を取得した農場の現状や取得によって得られた成果は? 販売戦略にどうつながっているのか? 同協会の武田秦明事務局長に聞いた。
――認証農場は増えているか? 農場にとって導入の成果は?

 2005年7月よりJGAPの導入を始め、2006年12月までに71農場、07年5月までに114農場、同年10月末で212農場と増えました。品目ではホウレンソウ、小松菜など葉物野菜が多く、コメはまだ少ない。

 成果についてよくいわれるのは「農場管理の標準化ができた」ということ。従業員教育に活用している農場も多いようです。

 経営者なら誰もが、出荷する農産物から基準値残留農薬など出したくないと思っている。ただ、出さないための具体的なルールが今までなかった。あったとしても自己流でやっている農場も多かった。しかしGAPを導入すれば農薬の使用時、あるいは使用後には何に留意すべきか、残った農薬を保管する時はどうすればいいかルールを決めることになっている。

 そのルールに基づき、自分の農場管理が正しくできているのか、落ち度があれば何か検討し改善方法を考え、管理点を決めて実践していくことになる。それを従業員教育にも活かすことができる。特に経営規模の大きい農場は、農場管理の標準化を目的に導入したところが多いようです。

――県によって取得農場の多い県と少ない県と差があるがなぜか?

 GAPは農場におけるリスクを減らし、よりよい農業経営を実践していくための道具ですから、必ずしもGAP=認証取得と考える必要はないでしょう。

 ただ、実際にはGAPを販売戦略の一環として位置づけている農場が多く、彼らは「うちはしっかりと農場管理できている」ということを客観的に評価してもらうために審査を受け、認証を取得しています。

 県別の認証農場数を見てもわかります。取得農場が多いのは茨城県、福島県、青森県、千葉県など。基本的にJAの影響力が少ない県です。これらの県では、自ら物流を組み立てたり、自分で営業したりというように主体的に販売している農業経営者が多い。GAPを前面に打ち出して販売することも可能なので、認証取得への意欲も高いわけです。

 一方、JAへの依存度が高い地域では、主体的な販売をしている生産者が少ないこともあり、GAPや認証取得への関心も低い。JAの集荷率が比較的高い米で認証農場が少ないのもそういった事情だと思います。

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