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耕すということ

土層・土壌改良雑感(4)

都府県での心土破砕に求められるもの


 都府県についてはどうか。長い間のロータリティラ耕で、ロータリ耕底盤が形成されているからには、まずパーンブレーカ的なものが使われるべきである。耕底盤の下は比較的軟らかく、排水性はそれ程悪くはなっていない筈である。今は深い位置から施工するよりは、やや浅めに施工し施工間隔を狭くして耕底盤の破砕に重点を置くのが賢明と言える。

 また、ホイールトラクタは、けん引力には不足するが、大きな回転動力を有している。この動力を利用し、破砕機に振動を与え、耕底盤を効果的に破砕する方法を考え出してよいであろう。既に振動を与える技術はある程度の域に達しているので、残るはウイングの形状などとの組合せであると思える。

 ロータリーティラによる浅耕を繰り返す限りにおいては、土地の持つ能力をフルに活用しているとは言えず、かつ、土地を保全していることにもならない。収量を多くするために、化学肥料に依存し続ければ、やがて化学肥料の弊害が発現するであろう。現に地下水汚染などの問題が生じてきている。今はともあれ、都府県の畑作の場合、ロータリ耕底盤の破砕を急ぐことであり、メーカーはそのためのパーンブレーカの開発を急ぐべきである。


“揺動装置”が心土破砕を変えた


 北海道で、耕土改善事業が軌道に乗った頃、心土破砕事業が拡大したことから、より作業能率を高めるために、クローラトラクタにも直装式の心土破砕機があってよいとされた。

 既に建設現場では岩盤を砕くためのロックブレーカが開発されており、早速このヒッチングを利用して心土破砕機をけん引することになった。ところが、これが思うようにならない。クローラトラクタは左右のクラッチで方向を制御するが、この時に大きく腰を振るのである。その衝撃を受けると、心土破砕機のヒッチ部分はたちまち壊れてしまうのである。

 土木工事の重粘土ブレーカの場合、クローラトラクタのけん引力に耐えるように頑丈な構造にしている。しかし、農業用の心土破砕機の場合、圃場間の移動もあり、また、軽快に作業する関係からそんなに堅固な構造にはできないのである。破損は続くばかりである。トラクタのヒッチングを改良して、衝撃を緩和することを要求しても、にべもなく断られる始末である。

 ではどうするか。心土破砕機の犂柱の取付けフレームを改良し、左右に揺動するようにした。トラクタが方向制御で腰を振っても、そこで逃げることができ、心土破砕機の破損はなくなった。また、スムーズに方向制御できるようになり一軒落着である。

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