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今年の市場相場を読む

計画生産のできる施設栽培は適正規模と需要の把握がカギ ピーマン・キュウリ・ナス・トマト

キュウリ 現在の価格を基本として夏秋のシュンで訴求効果


【概況】

 東京市場でのキュウリ単価は平成3年にキロ312円の天井を打った後、一時平成5年に316円という価格はあったが、いわゆるバブル経済崩壊後は、キロ260~270円という単価で落ちついてしまった。しかも、平成6年、7年、8年と入荷数量は10万7000t、10万2000t、9万9000tと年3~5%程度減少しているのにもかかわらず、偶然ではあるのだがキロ単価はこの3年間は年間の平均が「266円」と全く同じ。バブル期から比べると15%程度安い価格で固定化してしまったようだ。入荷減を現象的に見ると、いわゆる夏場のキュウリのシュンに減っているのが大きな特徴である。産地構成からみると、冬の西南暖地産が安定しているのに対して東北産地の時期に大幅に減っているのである。


【背景】

 果菜類全般に言えることであるが夏場の東北産地のウエイトが、近年とみに高まっている。果菜類といえば、典型的な夏秋野菜であり、この時期にシュンを演出しやすい野菜である。また、このシュンの演出で、その産地が東北というイメージは消費者に対しても悪くない。シュンの時期にキュウリの市場流通が減少しているということは、とりもなおさず、市場外とくにスーパーなどの量販店による産直対応が増えていることを意味している。当然のことながら、市場流通経由でもこのシュンを強調した量販店筋の需要が中心となることから、単価が安定するのである。量販店からの発注は最近、POSデータを根拠とした「指し値」発注が中心である。これに対して、どうしても西南暖地の重装備産地は産地希望価格は高めであるが、東北の新興産地の希望価格水準はそれほど高くないことも関係している。


【今年の対応】

 スーパーなどの量販店で鮮度感を訴求する野菜の代表的なものは、ホウレン草とキュウリである。また、産直野菜としての訴求が強いものは、キュウリとトマトだ。どちらもキュウリは該当する。かねてからある「朝取り」に加え、最近では「自根栽培」や「ブルーム」などが、キュウリの差別化商品のコンセプト。さらに夏秋のシュンの強調というところだ。現在安定しているキュウリの市場価格は、これからの契約、提携の基本要素となる。この単価を基に、「適正規模」を考えたい。

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