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農業技術進化系

2007年注目技術 農地の立体化と収穫のハイサイクル化による高効率の生産システムを実用化へ

自社開発した人工土壌「ヴェルデナイト」は軽量で高い保水力と保肥力を併せ持っている。この「ヴェルデナイト」と植物光栽培技術を組み合わせることで、季節や天候に左右されない有機無農薬栽培を完成させることが可能となった。
 自社開発した人工土壌「ヴェルデナイト」は軽量で高い保水力と保肥力を併せ持っている。この「ヴェルデナイト」と植物光栽培技術を組み合わせることで、季節や天候に左右されない有機無農薬栽培を完成させることが可能となった。棚栽培及び多層階の建物空間も利用が可能なため、ハイサイクル性(条件を整えれば、レタス28回、サラダ菜40回、米及び麦で5回の年間収穫が可能)と組み合わせれば、単位面積当たりの収量を激増させる農業を展開できる。

 今日の日本では、食糧の72%を海外依存しているため、つぎの3つの要素が国家の存亡をも左右しかねない時期を迎えようとしている。日常的にすらなりつつある世界各地の異常気象による作物の凶作、余剰穀物を持つ国のエネルギーのエタノール化(人為的凶作)、中国の穀物輸入量の激増と自国産トウモロコシの輸出禁止。以上のように、食糧輸入国日本にとって致命的ともなりかねない状況が迫ってきているのだ。また、従来の「面」で収穫する方法での解決は、物理的に不可能となりつつある。したがって、技術国日本の力を結集し、農地の立体化及び収穫のハイサイクル化を実現することで自給率の大幅な改善を図る必要がある。

 「ヴェルデナイト」による立体農業では、室内を利用するので季節や天候に左右されないほか、有機無農薬栽培が簡単に実現可能で、栽培作物の「硝酸態窒素イオン濃度」もEU及びアメリカの基準以下に確実に抑えられる。また、農業機械の使用が局限可能なため、安全でコストダウンも図れる。経済的にも、水耕栽培に比べて初期設備投資及び維持管理経費は3分の1〜5分の1程度だ。ほかにも、ハイサイクル農業により市場ニーズに即応可能であること、生産過程における廃棄物がほとんどないために環境負荷のかからない農業が実現可能であること、作業は立ち姿勢で行えるので年齢層にかかわらず大幅な労力軽減となること、といった優位性がある。

 現在は、大阪の水耕栽培機メーカーの室内で2006年8月末からレタス及び小松菜などを検証栽培している。資金調達後、直ちにシステムとして実用化する予定だ。

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