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農業技術進化系

2007年注目技術 農業分野への光の活用、インターネット利用で遠隔監視・制御も可能な「アイテラリウム」

松下電工(株)は、インターネットを利用した農園芸用の遠隔監視・制御システム「アイテラリウム」を開発した。これはケース内で蛍光灯の「光」で植物などを育成し、ネットワークカメラなどで遠隔監視・制御を行うもので、農園芸分野の研究用途に使用する。
 松下電工(株)は、インターネットを利用した農園芸用の遠隔監視・制御システム「アイテラリウム」を開発した。これはケース内で蛍光灯の「光」で植物などを育成し、ネットワークカメラなどで遠隔監視・制御を行うもので、農園芸分野の研究用途に使用する。今後は、研究機関などと協力して植物育成アルゴリズムの開発を進め、将来的には、農業分野や一般家庭も含むさらに広い市場への展開を目指している。

 当社は、2000年から本社内のベンチャー事業推進部にて、一般家庭や植物工場などを視野に入れた「室内園芸」としての基礎調査・研究を開始した。04年には「研究施設向け」に限定した試験育成装置を開発。05年3月から「愛・地球博(2005年日本国際博覧会)」に出展し、同時に一部研究施設への試験販売をスタート。試験販売先での状況・市場性などの検証を経て、06年10月より照明事業本部へ担当を移管し、大学や企業などの研究施設に向けて同年12月20日から正式に発売した。また、施設園芸農家などビニールハウス用の環境監視制御用「制御盤タイプ」も開発しており、こちらは07年夏の発売が目標だ。

 アイテラリウムは、システム本体と、インターネットのブロードバンドルーターを直接つなげて利用する。当社が管理するセキュリティに優れたセンターサーバを介して、世界中のどこからでもパソコンや携帯電話から、監視や制御ができるのが特徴だ。「照明器具」や「自動水やり器」など機器の制御・コントロールを遠隔から自由に行え、温度や湿度などのデータや機器制御状況・定点観測画像はサーバに蓄積・保管。いつでも、どこからでも確認可能で、必要なデータをダウンロードして利用できる。定期的に定点観測した画像データをコマ送り表示させることにより、植物の成長の様子を見ることも可能。

 また、導入コストが安価である点も特徴だ。重要な機能をサーバ側に保持することで、機器本体の機能をスリム化。既存のシステムより、機器本体の低価格化を実現した。サービス費用(サーバの使用料)も1台2625円/月(2台目からは、2100円/月)とリーズナブルな設定となっている。

 なお、当社では、農水産分野へ光活用として、様々な事業を展開中だ。苗を元気なまま長期間貯蔵「光貯苗システム」、人工光で苗生産を安定的に行う「閉鎖型苗生産システム」、植物の成長を光で促す「設栽培用照明(ヴァイタレイ)」などの農園芸用の照明器具を発売している。

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