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農業技術進化系

2007年注目技術 イチゴの高設栽培技術、コストと作業時間の大幅削減が可能に

  • 広島県立農業技術センター 野菜栽培研究部 副主任研究員 伊藤栄治
  • 第1回 2007年03月01日

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当センターではイチゴ栽培の作業改善として、自然な立ち姿で作業できる広島型高設栽培の技術開発を行った。しかし、さらなる省力化や収益性向上を目指して、(株)ダイコーテクノや広島県立東部工業技術センター産業デザイン部、高知大学農学部暖地農学科が参画し、産学官が連携して研究開発を進めている。
 当センターではイチゴ栽培の作業改善として、自然な立ち姿で作業できる広島型高設栽培の技術開発を行った。しかし、さらなる省力化や収益性向上を目指して、(株)ダイコーテクノや広島県立東部工業技術センター産業デザイン部、高知大学農学部暖地農学科が参画し、産学官が連携して研究開発を進めている。

 新栽培システムの装置の特徴は、各列2段の栽培ベッドをワイヤーで施設空間に立体的に吊り上げることで、通路部分にも栽培ベッドを配置。従って、慣行のイチゴ高設栽培に対して、4倍のベッド数を有する。また、栽培ベッドは、列の上下移動、シーソー動作が行なえ、いずれの栽培ベッドも作業しやすい高さ位置、自由な位置に配置することができる。

 本システムでは、栽培ベッドの配置と動作の最適化により光合成能力を高位に保ち、面積あたり収量を慣行の3.5倍以上に高める。あわせて、栽培ベッドの局所加温による省エネ化、人間工学に基づいた作業の省力化、および装置の低コスト化を図る。施設集約による作業の効率化(既存の高設施設35aに対し、雇用労賃50万円削減)と省エネルギー化(同、光熱費80万円削減)によりランニングコストを大幅に低減できる。

 本研究開発は、2006年度より農林水産省の「先端技術を活用した農林水産研究高度化事業」に採択され、3年間の研究期間で研究を進めている。来年度には現地実証を進め、 事業終了年度には実用化を目指す。

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