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特集

「顧客に聞く農業マーケティング」
自分はお客様のために何ができるのか?

多くの読者にとっては言わずもがなのことだと思いたい。しかし、あえて読者に向かってこう提案したい。我々は顧客に対して「お客様」そして「買っていただく」という言葉を使うべきである。使い慣れない言葉への照れはあるかもしれないが、肝心なのは言葉ではなく、意識の問題である。もし「お客様」と言い、「買っていただく」という言葉で顧客への感謝を表わすことに不快感を覚えたり自尊心が傷付くと考える人なら、もとよりマーケティングという言葉は無意味である。
 多くの読者にとっては言わずもがなのことだと思いたい。しかし、あえて読者に向かってこう提案したい。

 我々は顧客に対して「お客様」そして「買っていただく」という言葉を使うべきである。使い慣れない言葉への照れはあるかもしれないが、肝心なのは言葉ではなく、意識の問題である。

 もし「お客様」と言い、「買っていただく」という言葉で顧客への感謝を表わすことに不快感を覚えたり自尊心が傷付くと考える人なら、もとよりマーケティングという言葉は無意味である。

 あえてこんな事を書くのは、マーケティングとは市場への働き掛けであり、そしてそれは謙虚に市場(顧客)の声を聞くことでもあるからだ。自分のために顧客があるのではなく、顧客のために自分がいるのだ。それがマーケティングを考える前提なのである。それは広域な流通を前提とする経営でも、行商の場合でも数十軒の隣近所へ庭先販売をする場合でも同じことである。

 農業のマーケティングも「自分が顧客のために何ができるか」を問うことから始めるべきである。ただ単に「何を作ったら売れるか」だけを問い、己れを問うことなく「御用聞き」や「注文取り」をしているだけなら、あなたはいつまでも人の後追いをするばかりで市場に振り回され続けることになるだろう。確たる自分の位置を持てずには経営の安定も望めない。「顧客に聞く農業マーケティング」とは、市場社会で己れの位置を確実にするための方法であり、同時にそれは我々の経営倫理として持つべきものなのだ。

 自給自足時代の意識の名残りなのか、農業界には農産物の販売とは「自分で作ったものの余りを売る」ものだという論理がいまだにある。平気で「消費者に売ってやる」などといってはばからない農家もいないでもない。そもそも仕事とは他人のためにすることであり、自分のために行なう作業とは単なる趣味に過ぎないのだ。

 顧客に問うことは、単に御用聞きをするのとは違う。顧客に問うことの中から自分の中にある可能性を現実化することなのである。

 答えは顧客の中にあり、「顧客に問う」こととは「顧客のためにある自分を問う」ことなのかもしれない。

 本特集では、顧客に問う事の中から経営を展開してきている経営者紹介とともに、各需要者業界ごとのマーケティングのポイントを解説し、さらに、農産物消費・流通業界の方々にその要望を聞かせていただいた。

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