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特集

「顧客に聞く農業マーケティング」
自分はお客様のために何ができるのか?

 三芳村で有機無農薬のいい野菜が沢山出来るのに、もっと効果的に広げられないものか考えていまして、それじゃ三芳村の野菜を使ったレストランをやってみようと考えたんです。

 そうしましたら、個人の会員が共同購入の食材で商売するとは何ごとか、そういう会員や生産者が出てきました。でも私は一人で食べていても広がらないでしょう、いいものは広げることがもっといいわけでしょう、トマトはこうなんですよ、卵はこうなんですよと知らせていく場になりますから、と押し切って認めさせました。

 「三芳村の食べる会が、もしかしたらすみれ家の一番の財産かもしれないね」と娘が言いまして、いまでは私もそう思えるようになりましたが、それまでは送ってきたものを無駄にしたり、腐らせたり、はらはらするばかりでしたよ。

 生産者も有機農法を日本で最初にやった方々ですから、当時は農水省もまったく相手にしません。でも三芳村の生産者はいつも第一線の消費者と結び付いていましたからよかったんですね。当時最先端の農業ですし、都会の人と交流が増えたこともあり、すぐにお嫁さんが来てくれましたし。ナウイことしてましたからね(笑い)。

 初めの頃はとにかくどんなものでも全品買取でしたから、文句言えません。いまでは品質もいいし、量も作れますし、直売所も出来ました。これからは生産者も儲ける農業を考えるべきでしょうね。

 とにかく生産者と消費者が直接結び付いて、顔が見える生産でやって来られたことがよかったんです。また、それを仲立ちする人がいたことも大きいです。

 買取の価格は消費側と生産側が一緒に作るんです。最初は監視されているようだという生産者もいましたが、今ではむしろ積極的に反省会を開いて今年の作付けや買取価格を決めていくんです。

 私たちがやってきたこともそうですが日本中の野菜を全部有機無農薬でということはできません。国民が食べる野菜が供給出来ませんからね。ですから、考え方として出来るところから有機無農薬でやろうということが大切なんです。

 ナチュラルフーズ推進協会というのを作って今年で3年目になりますけれど、今度実験農場を作ることになりました。

 野菜がどうやって出来るか、これは見ると聞くとでは全然違いますでしょう。ですから、牧場だったところを耕してもらい、今年は豆とジャガイモだけを作ろうとしています。世界の豆と世界のジャガイモを作ろうということなんです。協会には食品メーカーさんも、ホテルの方も、保険会社の人も、食べ物に興味のある人もいますし、伊勢丹や高島屋の人もいますから、うまくいったら売ってみようと話しているんですよ。

 それから、いま栃木県の茂手木に長女が行ってますが、この8月にツインリンク茂手木といって、本田技研と鈴鹿サーキットが新しいサーキットを作るんですよ。本田技研の50周年記念事業で、そこに自然という大きなコンセプトを打ち出して、自然食レストランを作るんですが、売店も自然のコンセプトに添ったものを売ります。本田技研は決して儲かるわけじゃないですが、沢山の車走らせて悪いガスを撒散らしているから、少しは良いことしようということでしょう。

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