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【スーパー読者の経営力が選ぶあの商品この技術】
平本農場 平本英一氏/茨城県茨木町
- 第21回 2006年04月01日
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「弾は揃っている。コメでもう一ランク上の経営がしたい」
平本英一氏が〝弾〞と呼ぶのは、販売用の100ha分の苗のことだ。
10年前、平本氏が食肉のバイヤーから家業に転向した当時、苗販売だけでもそこそこの収益があった。「これなら食えると思って、それまで家の手伝いと二束の草鞋だった勤め先を辞めた。だけど、余った時間にあれこれ作り始めたらこんなに手が広がっちゃった」
現在、13haの経営面積のうちコメが3haで、残りは 10種類におよぶ露地野菜。経営のウェイトは畑作に傾きつつある。しかし、巣立つ子供を見送る親の気持ちに近いのか、苗を手元に置いてその生育を見届けたいという気持ちが強くなっている。
「最近の苗の販売先には、親ができないので兼業を始める“ 50 代の若手”が増えている。ちゃんと栽培指導をしないと、全面倒伏なんてことになりかねない。最初はその人たちのコメを〝平本の苗で作ったコメ〞として売り出そうと考えたけど、品質にバラつきがあるので難しい」
しかし、いざコメ中心の経営にしようと思っても、売り先のないままの安易な拡大ではリスクが大きい。そこで考えたのが、農場を観光農園にして自分のファンを作ることだ。まだ試験段階ではあるが、ジャガイモなど既存の農産物のほかに、トウモロコシ、エダマメなど収穫を楽しめるものも作付けた。
「自分の農業を知ってもらうには、来てもらうことが一番。口コミや簡単なチラシで、多いときには200人ぐらい来る。お土産に余った農産物をプレゼントして、コメもあるよって売り込むんだ」
しかし、そうした展開を考えられるのは、自分の農業に自信があるからだ。事実、冬の露地栽培にこだわるホウレンソウや、反収3tを超えるジャガイモの品質は、契約先の顧客から高く評価されている。そんな畑作の成功があるからこそ、その技術を生かした乾田直播にも取り組もうとしている。
「いまにおいしいと言われるコメをバカ高い金で買わなければならなくなる。自分は普通においしいコメを安く売りたいだけ。そのために何ができるか悩んでいるところ」
まさに苗から生まれた親心と表現できそうだ。(野村大樹)
平本英一氏が〝弾〞と呼ぶのは、販売用の100ha分の苗のことだ。
10年前、平本氏が食肉のバイヤーから家業に転向した当時、苗販売だけでもそこそこの収益があった。「これなら食えると思って、それまで家の手伝いと二束の草鞋だった勤め先を辞めた。だけど、余った時間にあれこれ作り始めたらこんなに手が広がっちゃった」
現在、13haの経営面積のうちコメが3haで、残りは 10種類におよぶ露地野菜。経営のウェイトは畑作に傾きつつある。しかし、巣立つ子供を見送る親の気持ちに近いのか、苗を手元に置いてその生育を見届けたいという気持ちが強くなっている。
「最近の苗の販売先には、親ができないので兼業を始める“ 50 代の若手”が増えている。ちゃんと栽培指導をしないと、全面倒伏なんてことになりかねない。最初はその人たちのコメを〝平本の苗で作ったコメ〞として売り出そうと考えたけど、品質にバラつきがあるので難しい」
しかし、いざコメ中心の経営にしようと思っても、売り先のないままの安易な拡大ではリスクが大きい。そこで考えたのが、農場を観光農園にして自分のファンを作ることだ。まだ試験段階ではあるが、ジャガイモなど既存の農産物のほかに、トウモロコシ、エダマメなど収穫を楽しめるものも作付けた。
「自分の農業を知ってもらうには、来てもらうことが一番。口コミや簡単なチラシで、多いときには200人ぐらい来る。お土産に余った農産物をプレゼントして、コメもあるよって売り込むんだ」
しかし、そうした展開を考えられるのは、自分の農業に自信があるからだ。事実、冬の露地栽培にこだわるホウレンソウや、反収3tを超えるジャガイモの品質は、契約先の顧客から高く評価されている。そんな畑作の成功があるからこそ、その技術を生かした乾田直播にも取り組もうとしている。
「いまにおいしいと言われるコメをバカ高い金で買わなければならなくなる。自分は普通においしいコメを安く売りたいだけ。そのために何ができるか悩んでいるところ」
まさに苗から生まれた親心と表現できそうだ。(野村大樹)
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スーパー読者の経営力が選ぶあの商品この技術
ユーザーの経営的視点で商品が選ばれ、その経営に即した評価が語られてこそ、それら商品が持っている現場での利点・問題点が伝わるのではないか。このコーナーでは、本誌読者の中でも経営力の高い農業経営者にご登場いただき、彼らが現場で使用している機械・資材、ビジネスツール等を選択した理由と、その評価を含め紹介していく。
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