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ナガイモの収穫はどうするか。当初はトレンチャを使い、ナガイモの横を開溝し、壁を崩すようにして手掘りする方法が採用された。低能率であることと腰を屈めての作業が大きな労働負担であるとして、次に、ボトムプラウにリフタを組合わせたものが開発された。ナガイモが浮き上がったところを手で掴まえて抜き取らないといけないことから、高能率であるとしても、人間が機械に使われる、あるいは、労働負担が大きいなどから満足するには至らなかった。
結局、大型のトレンチャで畦間を掘削し、そこに人が入り、両側の壁を崩しながらナガイモを手で掘り取る方法が開発された。楽な姿勢で作業できることが評価され、今日のナガイモ収穫の主流となっている。
沖積土地帯や、湿性型火山性土地帯では、秋に降雨が多いとラダーチェーンのトレンチャは作業に難渋する。そこで考え出されたのが、小型バックホーの利用である。バケットに工夫すると、土壌水分の多い粘湿土壌でも難なく畦間を掘削し、ナガイモの収穫を容易にする。
植付床は幅17cm、深さ1mのロータリ耕である。収穫のための畦間の開溝は幅50cm、深さ80cmである。これは一種の混層耕であると言える。
一昔前であると、それだけの下層土の混層は、作土の化学性、微生物性を劣悪にし、ナガイモの後の作物の生育を悪くしてしまう、と許容されないものであるが、ナガイモ栽培に限り問題は認められず許される。何故ならナガイモは付加価値の高い作物であり、単位面積当たりの所得が多いことから、作土に土壌改良資材や有機質肥料が充分に投与されている。下層土が混合されても、化学性や微生物性が劣化することはない。
ここで、ナガイモ栽培を通じ、混層耕が成立し、もっとも効果的な土層・土壌改良となっている。ナガイモの後作に地力で採れるとされる小豆を栽培しても何等生育には支障はなく、むしろ増収である。ナガイモ栽培は、土づくりには魅力ある作物と言えよう。
部分深耕ロータリは、ナガイモばかりでなくゴボウ栽培にも用いられる。ゴボウが安定的多収を示すようになったのは部分深耕ロータリの開発によるものと考えてよい。
さて、部分深耕ロータリは今なおトレンチャと呼ばれているが、これは正しくない。トレンチャは開溝機であり、植付床造成とは異なるのである。同じような構造であるとしても、開溝機と植付床造成は分けて考えるべきである。適当な名称がないので、ラダーチェーンタイプもホイールタイプも部分深耕ロータリと呼ぶことにしている。
結局、大型のトレンチャで畦間を掘削し、そこに人が入り、両側の壁を崩しながらナガイモを手で掘り取る方法が開発された。楽な姿勢で作業できることが評価され、今日のナガイモ収穫の主流となっている。
沖積土地帯や、湿性型火山性土地帯では、秋に降雨が多いとラダーチェーンのトレンチャは作業に難渋する。そこで考え出されたのが、小型バックホーの利用である。バケットに工夫すると、土壌水分の多い粘湿土壌でも難なく畦間を掘削し、ナガイモの収穫を容易にする。
植付床は幅17cm、深さ1mのロータリ耕である。収穫のための畦間の開溝は幅50cm、深さ80cmである。これは一種の混層耕であると言える。
一昔前であると、それだけの下層土の混層は、作土の化学性、微生物性を劣悪にし、ナガイモの後の作物の生育を悪くしてしまう、と許容されないものであるが、ナガイモ栽培に限り問題は認められず許される。何故ならナガイモは付加価値の高い作物であり、単位面積当たりの所得が多いことから、作土に土壌改良資材や有機質肥料が充分に投与されている。下層土が混合されても、化学性や微生物性が劣化することはない。
ここで、ナガイモ栽培を通じ、混層耕が成立し、もっとも効果的な土層・土壌改良となっている。ナガイモの後作に地力で採れるとされる小豆を栽培しても何等生育には支障はなく、むしろ増収である。ナガイモ栽培は、土づくりには魅力ある作物と言えよう。
部分深耕ロータリは、ナガイモばかりでなくゴボウ栽培にも用いられる。ゴボウが安定的多収を示すようになったのは部分深耕ロータリの開発によるものと考えてよい。
さて、部分深耕ロータリは今なおトレンチャと呼ばれているが、これは正しくない。トレンチャは開溝機であり、植付床造成とは異なるのである。同じような構造であるとしても、開溝機と植付床造成は分けて考えるべきである。適当な名称がないので、ラダーチェーンタイプもホイールタイプも部分深耕ロータリと呼ぶことにしている。
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村井信仁
農学博士
1932年福島県生まれ。55年帯広畜産大学卒。山田トンボ農機(株)、北農機(株)を経て、67年道立中央農業試験場農業機械科長、71年道立十勝農業試験場農業機械科長、85年道立中央農業試験場農業機械部長。89年(社)北海道農業機械工業会専務理事、2000年退任。現在、村井農場経営。著書に『耕うん機械と土作りの科学』など。
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