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どうなる!どうする?こんなとき

〈拡大版〉殖産銀行ブーム

Q:誰でも借りられますか。

A:誰でというわけではなさそうだが、前向きに経営をしている農業者なら個人、法人を問わず大丈夫ということだよ。青色申告者で、かつ黒字経営者を対象としているが、赤字でも同友会の会員になれば、同友会の会長の確認書があれば、赤字経営でも融資に応じるということだ。

Q:同友会とは何ですか。

A:同友会は、農業者が5人以上であれば結成できる、一種の連帯保証組織だな。農村社会の特質をうまくとらえているね。ドブ板をやってきたローカル・バンクならではの知恵だ。融資の際に、銀行に提出する資料も、経営の中身が分かるものばかりだ。青色申告書または二期間以上の決算書、固定資産名寄台帳、納税証明書、経営の概要、借入申込書、返済財源の確認資料だ。いずれも農業経営が見通せる資料の提出を求めているんだ。経営という視点から融資に応じようという姿勢だと思うよ。ごく当たり前のことだがね。農協は農協に出荷しない農家や減反を守らない農家には融資しないとか、馬鹿なことを今でもやっている。これじゃ、優良農家は逃げていく。

Q:それじゃ農協には「落ちこぼれ」農家ばかりが残ることになるのですか。

A:農協が銀行に勝てるような金利を出さないと、農協には「落ちこぼれ」しか集まらないだろうな。組合員だから農協を利用せよといってもね。金利が倍も高いとそうはいかないよ。

Q:農協が銀行に対抗する妙案はありますか。

A:徹底的な合理化と職員の資質向上だ。全国農協中央会でも、全国で職員の3割は余っていると認めているぐらいだ。本当は5割ぐらい余っているのではないか。2人に1人は整理しないと農協の経営はやっていけないよ。それに職員の資質だ。銀行マンと比べると、思わず「ウーン」とうなってしまう。

Q:それで「未来農園」は増えていますか。

A:増えているそうだな。殖産銀行は隣の新潟県にも支店があって、そこでも農家に積極アプローチをかけているようだな。それに決済スピードも早い。農協なら月に一度開く理事会で融資の諾否について決済する。銀行は多少の額なら支店長レベルに決済権限を落としてある。それに余計なことをごちゃごちゃいわない。すべてビジネス・ライクに進める。金融業務に関わるスタンスが違うんだ。

Q:ほかの銀行の動きはどうですか。

A:金融ビッグバンで農業分野に積極進出の動きは強まるね。欧米の銀行が、日本の都銀のマーケットを喰う。都銀は地銀のマーケットに進出。地銀は、第二地銀や信金信組のマーケットに。第二地銀や信金信組が農協のマーケットにというアフリカのジャングルのようなことが起きそうだ。そこで猛烈な金利競争が確実に起きる。おかげでお客さんは大喜びだ。農協は、本当にリストラをやらないと、優良組合員は誰もいなくなったということになりかねない。

Q:よく分かりました。

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